Research Project
Grant-in-Aid for Exploratory Research
1.TilSによるtRNA^<Ile>(CAU)の認識機構の解明:(1)未修飾tRNA^<Ile>のin vitro転写物にTils組換えタンパク質を加えた状態でRNA分解酵素を加え、tRNA^<Ile>のどの部分がRNA分解酵素の攻撃を免れるかを調べた。その結果、Tilsはアンチコドン領域とアクセプターステムの3'側に結合することが分かった。この結果は、昨年度に決定したTilSによるtRNA^<Ile>の認識部位と一致する。(2)大腸菌のTilsタンパク質の結晶化は成功しなかった。そこでより結晶化しやすいと考えられる好熱菌A.aeolicusのTilsのX線結晶構造解析を東工大・濡木理博士との共同研究で行った。その結果、以下のことが分かった。(ア)N末のドメインはGMP synthetaseのATP-pyrophosphataseドメインと構造が似ている。(イ)N末のドメインにはtRNAがはまりこむと考えられる孔があり、L修飾に必須と考えられるアミノ酸残基はこの孔のまわりに集まっている。(ウ)C末ドメインはtRNA^<Ile>のアンチコドンステムを認識する。(3)大腸菌のtRNAのプロセシングに重要なRNasePの変異株を用いた解析から、TilSによるL修飾はtRNAのプロセシングの完了以前に起こることが分かった。これは、もしL修飾前にプロセシングが完了した場合、tRNAのメチオニル化とL修飾がおこってしまうと、AUAコドンがメチオニンに指定されてしまうので、それを避けるための機構であると考えられる。2.TilS活性阻害分子の検索:リジンアナログである2-aminoethyl cystein (2AC)をTilsタンパク質によるin vitro L合成反応系に加えたところ、リジンの代わりにtRNA^<Ile>に取り込まれた。2ACはバクテリアの生育を阻害し、これはaspartate kinaseを阻害するためであると考えられてきたが、2ACの標的がTilsであるという可能性が示唆された。
All 2005
All Journal Article (2 results)
Proc.Natl.Acad.Sci.USA 102
Pages: 7487-7492
Mol.Cell 19
Pages: 235-246