セミインタクト細胞核を用いた第三世代試験管内転写系の開発
Project/Area Number |
16657057
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Cell biology
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
木村 宏 京都大学, 医学研究科・科学技術振興教授 (30241392)
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Project Period (FY) |
2004 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2004: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 転写制御 / クロマチン / 細胞核 / セミインタクト細胞 / RNA / 試験管内転写系 / 細胞生物学 / 生化学 / 転写 / 細胞 / 分子生物学 |
Research Abstract |
真核生物の転写制御を理解する上で、裸のDNAや再構成されたクロマチンを鋳型とした試験管内転写系が大きな役割を果たしてきた。しかし、細胞核ではDNAは高次クロマチン構造を取って存在しているため、これらの試験管内転写系により得られた知見が、どの程度細胞内の転写を反映しているかは定かではない。そこで、生細胞における転写制御機構を解明するためのモデル系として、細胞核構造・クロマチン構造を保持しつつ可溶性因子の除去と供給が可能なセミインタクト細胞を用いた転写系の構築を試みた。昨年度の研究により、非イオン性界面活性剤で膜を透過性にしたセミインタクト細胞にHeLa細胞抽出液を添加することで、ブロモウリジン三リン酸の取り込みを指標にした転写活性が上昇することを見出している。さらに、この転写活性の上昇は、転写の伸長反応の促進に加えて新規の開始反応にも起因することが示唆されている。そこで、テトラサイクリン(tet)誘導性レポーター遺伝子を持つ細胞からセミインタクト細胞を調整し、細胞抽出液とtet特異的転写活性化因子(Gal4-VP16)を添加することで、新規の転写が誘導されるかどうか検討した。その結果、tet依存的にレポーター遺伝子の転写が起こることが明らかになった。また、その転写産物はGal4-VP16の量に依存して増加した。これらの結果は、細胞抽出液と転写活性化因子によりセミインタクト細胞クロマチンの転写活性化を誘導できることを示している。今後、この系を利用して、クロマチン転写に関わる因子や転写活性化に伴うクロマチン構造変換を明らかにすることが可能になると考えられる。また、セミインタクト細胞と抽出液をそれぞれ異なる細胞種から調整し、それらを組み合わせることによって、発生・分化・組織特異的転写制御機構の解明も期待される。
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Report
(2 results)
Research Products
(8 results)