Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2006: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2005: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2004: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Research Abstract |
1)外来昆虫種であるセイヨウミツバチは園芸植物への訪花割合が高く,在来昆虫種は野生植物への訪花割合が高かった.園芸植物がセイヨウミツバチを多く引き付けることにより,野生植物をめぐるセイヨウミツバチと在来昆虫の競合を緩和している可能性が示唆された. 2)園芸植物の中でも特に果樹は,単位時間当たりに訪花した昆虫の平均種数および平均個体数が多く,昆虫の餌資源として大きく機能していることがわかった. 3)周辺植物の開花が少ない夏期に花を咲かせるキンカンやハナツクバネウツギなどの園芸植物に多くの昆虫が訪花したことから,園芸植物が在来送粉共生系保全のために代償的に利用できる可能性が示唆された. 4)モモでは,訪花昆虫を制限した袋がけ区であっても結実率が高く,訪花昆虫の重要性が低いと考えられた.しかし,レモンとキンカンでは自然交配区と比較して袋がけ区の結実率が低く,結実を訪花昆虫に依存していることがわかった.同じ自家和合性であっても,花形態や結実に必要な花粉量の違いにより訪花昆虫の必要性が異なることが示唆された. 5)自家不和合性果樹のうち,リンゴは人工他家交配区と自然交配区および除雄区の結実率が同程度であり,昆虫が送粉者として十分に機能していることがわかった.しかし,ナシでは自然交配区および除雄区の結実率が人工他家交配区と比較して低かった. 6)ナシとリンゴにおける訪花昆虫別の貢献度を調査したところ,ナシではセイヨウミツバチが最も貢献度の高い昆虫であった.リンゴでは,訪花個体数ではセイヨウミツバチよりも少なかったコマルハナバチの貢献度がセイヨウミツバチの貢献度の約2倍であった,コマルハナバチの活動開始時期は4月中旬であるため,4月上旬に花を咲かせるナシの開花期には観察されなかった.このことが,ナシの自然交配区の結実率が低かった原因であると考えられた.
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