泥炭形成植物の温暖化ガス固定機能の評価とその屋上緑化への利用
Project/Area Number |
16658031
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Plant nutrition/Soil science
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Research Institution | The University of Kitakyushu |
Principal Investigator |
原口 昭 北九州市立大学, 国際環境工学部, 教授 (50271630)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河野 智謙 北九州市立大学, 大学院国際環境工学研究科, 助教授 (20335699)
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Project Period (FY) |
2004 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | 泥炭形成植物 / 温暖化ガス / 炭素固定 / 光合成 / 都市緑化 / 屋上緑化 / 湿地 / 湿生植物 |
Research Abstract |
未分解の有機物が堆積して形成される泥炭地は、炭素や窒素のシンクとしての機能を有し、二酸化炭素・メタン・亜酸化窒素などの温室効果ガスの捕捉系として重要な機能を果たしている。本研究では、現存の湿地の保全による温暖化ガスの放散抑制、および破壊された泥炭地の復元と新たな泥炭地の創成による温暖化ガスの封じ込めの可能性についての基礎的研究を行った。 昨年度は、泥炭形成植物を利用した圃場実験を行い、植物群集の遷移プロセスについて検討した。この結果を受け、本年度は、代表的な泥炭形成植物であるミズゴケを屋上緑化に用いる場合の問題点の抽出を行うとともに、ミズゴケの光合成活性を測定し、ミズゴケ群集の一次生産速度評価のモデル化を行い、ミズゴケを屋上緑化に用いた際に期待される大気中炭素固定速度を評価することを目的とした研究を行った。 ミズゴケの光合成活性は、定温条件化で、チャンバー内を通過する空気中の二酸化炭素濃度変化から測定した。環境因子として光量子密度と二酸化炭素濃度を変動させて、光合成速度に及ぼす影響をモデル化し、これを用いてミズゴケ群集の一次生産速度を評価することを当初の目的としたが、この測定の際、測定時間を3時間以上に長期化すると、測定値が著しくばらつく現象が観測された。 そこで、光合成機能の日変動を評価する目的で、イボミズゴケ、およびチャミズゴケの2種のミズゴケについて一定の光量子密度、二酸化炭素濃度条件下で光合成速度の日変動を調べた結果、2種共に光合成活性の概日リズムが観測された。コケ植物の光合成活性の個体レベルでの概日リズムの報告はこれまでなされておらず、画期的な発見である。今後は、光合成活性の概日リズムを含めた一次生産速度評価のモデル化を行うとともに、コケ植物の概日リズムに関するデータの蓄積を行う予定である。
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Report
(2 results)
Research Products
(5 results)