Budget Amount *help |
¥3,100,000 (Direct Cost: ¥3,100,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Research Abstract |
流砂は多数の粒子からなる集合体の運動の一形態と考えられ,連続体として近似が可能であることが期待されるが,その力学については十分な議論がなされていない。本研究は,連続体としての流砂運動の力学体系の構築を目的とするもので,土石流,掃流砂,浮遊砂のメカニズムに関する研究成果の現状をレビューし,流砂現象を連続体として取り扱う方法,研究の方向性と課題を明らかにしようというものである。 土石流の構成則は連続体力学の考え方に基づき得られている。しかしながら,定常等流状態での力学的エネルギー収支をベースとしているため本質的に非圧縮の条件下でしか成り立たないところに問題の本質の一部があることを明らかにした。その中で既往の土石流の構成則の考え方をもとに圧縮・膨張による運動学的エネルギーの変化を見積もり,圧縮性が流れの特性を理解する上で極めて重要であることを示し,今後の研究の方向性を示した。 一方,掃流砂,浮遊砂の力学に関するほとんどの研究は,流れの中の個別の粒子の軌跡の統計的性質を明らかにするといった観点からなされており,連続体としての取扱は受けていない。掃流砂については土石流の構成則が適用され合理的な説明がなされているが,浮遊砂への適用は未だ成功していない。そこで,ここでは泥流の流れ場の特性を土石流の構成則に関する考察と同様に方法を用いて評価することにより掃流砂と浮遊砂の流れ場の力学的特性を定式化するための考え方や評価すべき項目,物理量について検討を行った。その結果,固液混相流としての粘性底層厚と集合流動層の層厚との大小関係により浮遊砂と泥流の違いが説明されるであろうことが示された。 これらの成果をもとに問題を解決するための研究スキームを組み上げた。なお,これらの成果は国内外の研究者との数度にわたる研究会を通して導かれた。研究成果については,今後,関連学会および国際会議において発表してゆく。
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