自然感染に対する魚の生体防御へのバクテリオファージの関与
Project/Area Number |
16658083
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
General fisheries
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
中井 敏博 広島大学, 大学院生物圏科学研究科, 教授 (60164117)
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Project Period (FY) |
2004 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2004: ¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
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Keywords | バクテリオファージ / 魚類細菌感染症 / Flavobacterium psychlophilim / Edwardsiella tarda / Streptococcus iniae / 細菌性冷水病 / エドワジエラ症 / レンサ球菌症 / Elavobacterium psychlophilum |
Research Abstract |
本年度実施した研究の結果は以下のように要約される。 (1)昨年度(平成16年度)に淡水魚類養殖環境から分離したFlavobacterium psychlophilim(細菌性冷水病原因菌)ファージを用いて、人為感させたアユに対する感染防御効果を調べた。注射(筋肉内)または浸漬のいずれの方法で感染を図った魚に対しても、浸漬法でファージ処理を行った場合、対照区(ファージ処理なし)に比べて、有意に死亡率が低下した。また予め体表に傷をつけた魚に菌を感染(浸漬法)させ、その後ファージ処理を行った場合、傷口の炎症部が治癒した。 (2)昨年度に海産魚類養殖環境から分離したEdwardsieela tarda(エドワジエラ症原因菌)ファージを用いて、人為感染魚(ヒラメ)に対する感染防御効果を調べた。注射感染(腹腔内)させた魚にファージ処理(経口投与)を行った場合、対照区(ファージ処理なし)に比べて、有意に死亡率が低下した。経口投与されたファージは速やかに(10分以内)に循環系に出現した。 (3)昨年度にヒラメ養殖環境から分離したStreptococcus iniae(β溶血性レンサ球菌症原因菌)ファージを用いて、人為感染魚(ヒラメ)に対する感染防御効果を調べた。注射感染(腹腔内)させた魚にファージ処理(腹腔内注射)を行った場合、対照区(ファージ処理なし)に比べて、有意に死亡率が低下した。ファージ接種による防御効果は、菌感染24時間後でも認められた。また、接種されたファージは速やかに脳内に出現した。 (4)以上、3種類の細菌感染症に対するファージ治療試験結果から、自然界に細菌の天敵として存在するファージが、経口的および経皮的に容易に魚体内に侵入し、循環系を介して、病原体の増殖部位に到達しうることが明らかとなった。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)