プロテアーゼ受容体-2抗体を用いた炎症性腸疾患に対する新規治療法開発の基礎研究
Project/Area Number |
16658116
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Basic veterinary science/Basic zootechnical science
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
那須 哲之 山口大学, 農学部, 教授 (70035559)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 晃一 山口大学, 農学部, 助教授 (90205914)
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Project Period (FY) |
2004 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2004: ¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
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Keywords | 消化管平滑筋 / 潰瘍性大腸炎 / 実験的腸炎モデル動物 / プロテアーゼ活性化受容体 / 収縮弛緩機構 / 消化管運動機能 |
Research Abstract |
近年、ヒト医療領域のみならず獣医領域においても、各種の炎症性腸疾患が増加し問題となっている。しかし、現在の所、有効な治療法が確立されておらず、新規治療薬の開発が急務の課題となっている。本研究では、実験的大腸炎モデル動物の消化管運動におけるプロテアーゼ受容体2 (PAR-2)の役割を明らかにすることで、炎症性腸疾患の新規治療薬としてのPAR-2の可能性を評価するとともに、PAR-2抗体を新規治療薬として用いるための基盤作りを目的としておこなった。 前年度の研究に引き続いて、DSSラットを用いて消化管運動におけるPAR-2の機能的変化を検討した。これまで、PAR-2活性化による遠位結腸輪走平滑筋の弛緩反応には、抑制性神経伝達物質である一酸化窒素やプロスタサイクリンの関与が考えられていたが、各種神経伝達阻害物質の処置下においても、PAR-2活性化による弛緩が変化しなかったことから、やはりCa活性化Kチャネルが関与することが明らかとなった。また、PAR-2の発現量は、PAR-2の機能減弱と同じ時間経過をたどって減少することを明かとした。 一方、DSS処置により作製した潰瘍性大腸炎モデルマウスに対する、PAR-2作動性合成ペプチドであるSLIGRL-NH2の影響を観察したが、生存率、消化管粘膜部および筋層部の形態学的変化、消化管運動能には、有意な変化が認められなかった。 これらの結果より、実験的大腸炎モデル動物においてはPAR-2発現量が減少することにより、消化管平滑筋の弛緩反応が減弱し、消化管の運動機能不全を起こしていることが示唆された。しかし、腸炎発症機構におけるPAR-2受容体の役割解明については、更なる検討を要する。
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)