イオウ原子の非結合性相互作用を機軸とする斬新な創薬メソドロジーの構築
Project/Area Number |
16659030
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Drug development chemistry
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
長尾 善光 徳島大学, 大学院ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (40027074)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐野 茂樹 徳島大学, 大学院ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教授 (20226038)
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Project Period (FY) |
2004 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥2,900,000 (Direct Cost: ¥2,900,000)
Fiscal Year 2005: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2004: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | 非結合性相互作用 / 創薬メソドロジー / ラベプラゾール / X線結晶構造解析 / プロテアーゼ阻害剤 / 不斉プンメラー反応 / チオリシス / アルコリシス / 含イオウ常用医薬品 / 官能基 / 計算化学 / タンパク複合体結晶構造 / 抗生物質 / メチシリン耐性菌 |
Research Abstract |
我々は、イオウ原子と各種ヘテロ原子(金属イオンも含む)との非結合性相互作用をニューファーマコフォアとする独創的な創薬研究概念を機軸として既に創薬メソドロジーの構築に関する種々の研究成果を報告している。平成17年度は、分子内非結合性S…X(X=O,N,S,ハロゲン,Znイオン)相互作用を基盤とする医薬品(候補)分子の評価、設計、新規合成法の開発について次ぎのような研究成果を挙げた。すなわち、抗潰瘍剤ラベプラゾールのプロドラッグとしての生体内反応機構に分子内非結合性S…N相互作用が関与していることを種々の結晶性誘導体のX線結晶構造解析及び生体模擬反応によって明らかにした。次いで、プロテアーゼ阻害剤の合成開発に有用なキラルな新規化合物の合成を、分子間及び分子内非結合性S…O相互作用を基盤とする斬新な高立体選択的不斉プンメラー反応によって達成した。その際、分子内非結合性S…O相互作用をキラルスルホキシド体のX線結晶構造解析によって明らかにし、キラルスルホキシド体とアミド系反応溶媒分子との分子間非結合性S…O相互作用をCold-Spray lonaization Mass Spectrometry(CSI-MS)分析によって明らかにした。さらに、リュウマチ性関節炎や喘息に関する急性及び慢性の炎症治療薬開発に有効とされているホスホジエステラーゼ(PDE4)阻害剤の探索を目指し、我々は光学活性フタラジノン誘導体の合成をメゾシクロヘキセンジカルボン酸無水物のキラルチアゾリジンチオンを用いる光学分割によって達成した。これに関連して、極く最近我々は新規なキラル二官能性スルホンアミド系触媒を開発し、画期的な各種メゾジカルボン酸無水物の触媒的高エナンチオ選択的チオリシス及びアルコリシスの開発に成功した。さらに、この酸・塩基二官能性スルホンアミド系触媒をジエチル亜鉛と反応させて合成した新規なキラル二官能性スルホンアミド亜鉛架橋型触媒と無水酢酸を活用して、メゾ2-Bocアミノ-2-アルキル-1,3-ジオール体の非酵素的エナンチオ選択的アセチル化反応の開発にも成功した。触媒と基質との非共有結合性相互作用の可能性は、CSI-MS分析によって証明した。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)