バイオインフォマテクスの構造予測にもとづいた神経栄養因子の一塩基多型の機能解析
Project/Area Number |
16659044
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Medical pharmacy
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
小島 正己 独立行政法人産業技術総合研究所, セルエンジニアリング研究部門・セルダイナミクス研究グループ, 研究員 (40344171)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
広川 貴次 独立行政法人産業技術総合研究所, 生命情報科学研究センター・分子設計チーム, チーム長 (20357867)
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Project Period (FY) |
2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | 神経栄養因子 / 一塩基多型 / 神経細胞 / 受容体 / バイオインフォマテクス / 構造予測 / コンピューターシュミレーション |
Research Abstract |
ヒトゲノムプロジェクトの成果として一塩基多型SNPの存在が明らかになり、疾患の予測に有用な遺伝子マーカーとしての期待が強まった。しかし、SNPがどのような分子メカニズムによって疾患が引き起こすかはまだ不明である。最近我々は、脳由来神経栄養因子BDNFのSNP(Val/Met置換)がBDNFの分泌を減少させると同時に、ヒトのエピソード記憶力を低下させることを報告した。本研究では、前もって行ったコンピューターシュミレーションの結果、BDNF遺伝子上のVal/Met置換が「神経細胞死レセプターp75」との結合ドメインに位置することを予測した。この予測に基づいてこの変異が我々の神経疾患の進行つまり神経細胞死に影響するかを調べた。最初に、Val型およびMet型BDNFのリコンビナント蛋白質を大腸菌によって大量調整した。蛋白質の精製は付加したHisタグによって行い、精製蛋白質のまき戻しはTAPS法によった。巻き戻し後の構造をCDスペクトルによって確認した後、蛋白質の濃度決定をBDNFのELISAによって行った。以上のように調整したVal型およびMet型BDNFを用いて次の細胞死アッセイを行った。神経細胞死レセプターp75を高発現している小脳顆粒神経細胞に神経細胞死を低濃度のカリウムによって誘導すると同時に各SNPのBDMF(100ng/ml)を添加した。その結果、Met型BDNFの添加群がVal型BDNFの添加群より有意に生存が維持されることが見いだされた。つまり、Val/Met置換を起こすSNPは神経細胞死誘導ストレスに対する脆弱性に耐性である可能性が示唆された。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)