新規コレステロール合成制御蛋白質SPFのKOマウスを用いた生理的意義の解明
Project/Area Number |
16659071
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
General medical chemistry
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
新井 洋由 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 教授 (40167987)
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Project Period (FY) |
2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2004: ¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
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Keywords | コレステロール / 絶食 / フィブラート / 動脈硬化 / スクワレンエポキシダーゼ / 脂質結合蛋白質 |
Research Abstract |
申請者は、以前にコレステロール生合成を促進する新規蛋白質SPFを世界に先駆けクローニングしていたが、本研究では、SPFノックアウトマウスを作製することにより、SPFのコレステロール代謝における生理的意義を明らかにすることを目的とした。作製したSPFノックアウトマウスは、見かけ上正常に成長し、血中コレステロールプロファイルにも大きな異常は見出せなかった。しかしながら、いくつかの条件において、SPFノックアウトマウスは、野生型と異なるフェノタイプを示すことを見出した。まず、マウスを絶食状態にすると、野生型マウスでは血中コレステロールレベルは変化しないのに対して、SPFノックアウトマウスでは有意に低下していた。また、絶食状態において野生型マウスでは肝臓におけるSPFの発現が上昇していた。次に、高脂血症の治療薬であるフィブラート系薬剤を投与すると、やはり野生型マウスにおいてSPFの発現上昇が観察された。野生型にフィブラートを投与しても血中コレステロールレベルに変化が無いことがこれまでに知られていたが、SPFノックアウトマウスにフィブラートを投与すると、血中コレステロールが有意に低下することを見出した。一方、肝臓におけるコレステロール生合成を調べてみると、絶食時およびフィブラート投与時ともにSPFノックアウトマウスでは野生型マウスに比べて低下していることを見出した。さらに、SPFノックアウトマウスと動脈硬化症のモデルマウスであるアポEノックアウトマウスとを交配させ、動脈硬化症発症におけるSPFの役割を固体レベルで解析した。その結果、ダブルノックアウトマウスではアポE単独ノックアウトマウスに比べて、血中コレステロールレベル・動脈硬化巣ともに有意に低下していることが明らかになった。以上のような結果から、SPFは肝臓におけるコレステロール合成を促進させる因子であること、SPFの阻害剤がコレステロール低下薬の新たな標的となることが示唆された。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)