稀少性染色体不安定症候群バリアントの病因解明と国内調査
Project/Area Number |
16659090
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Human genetics
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
松浦 伸也 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 教授 (90274133)
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Project Period (FY) |
2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2004: ¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
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Keywords | 稀少性染色体不安定症候群 / Nijmegen症候群 / VTM / ウエルナー症候群 / Rothmund-Thomson症候群 / Bloom症候群 / RecQヘリケース遺伝子 / 放射線感受性 |
Research Abstract |
稀少性染色体不安定症候群バリアントの病因および病態を解明する研究は新しい発がん機構の解明にまで発展することが期待される。私たちはこれまでに新しいタイプの染色体断裂症候群を報告した。症例は12歳の日本人女児で、小頭症と多指症・低身長を示した。著明なリンパ球減少と免疫グロブリン低下を伴う複合型免疫不全を呈し、幼児期から慢性感染症を繰り返していた。患者由来のリンパ球は、染色体核型は基本的に46,XXで正常だが、放射線照射後に染色体分体型のギャップおよび断裂などの構造異常が観察された。その後、悪性リンパ腫を発症した。患者の不死化皮膚線維芽細胞を樹立して、電離放射線感受性をコロニー形成法でアッセイしたところ、Nijmegen症候群患者細胞とほぼ同程度の放射線感受性があることがわかった。しかしながらNBS1、Mre11、Rad50の発現発現は見られず、また放射線照射後のNBS1の核内フォーカス形成にも異常は見られなかった。したがって本疾患はNijmegen症候群バリアントとして分類される新しい放射線高感受性遺伝病であることが考えられた。現在、原因染色体の検索を進めている。 最近私たちは、ウエルナー症候群バリアントと考えられる1症例に遭遇した。症例は13歳男児。高度(-8SD)の低身長を主訴とする。早老なし。免疫不全なし。日光過敏症なし。末梢血リンパ球の染色体検査でVariegated translocation mosaicism (VTM)が多数観察された。SCE頻度はコントロールのほぼ2.5倍。Rothmund-Thomson症候群に特徴的な染色体異常を持つクローナルな細胞集団の増加は見られなかった。以上より本疾患は臨床所見はBloom症候群、染色体はWerner症候群に類似した新しい染色体不安定症候群であることが考えられた。現在、RecQヘリケース遺伝子について変異スクリーニングを進めている。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)