Project/Area Number |
16659097
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Human pathology
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
大島 孝一 福岡大学, 医学部, 助教授 (50203766)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
自見 至朗 福岡大学, 医学部, 助手 (30226360)
鈴宮 淳司 福岡大学, 医学部, 助教授 (70206556)
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Project Period (FY) |
2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2004: ¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
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Keywords | MALT / リンパ腫 / 末梢血 / 細胞遊走 / CD20 / CD3 / クロナリチィー |
Research Abstract |
MALTリンパ腫は一般に経過も緩やかであり、抗原刺激を伴う炎症反応が発生に重要と考えられており、特に、胃のMALTリンパ腫の発生に関しては、H.Pylori菌の感染が重要な位置を示しており、これらの除菌を行うことで改善する症例が見られる。MALTリンパ腫において細胞増殖能をみた場合、特にlow gradeのものの増殖能は低く、また、H.Pylori菌の除菌後、MALTリンパ腫が消失した症例において、H.Pylori菌が再発することによりMALTリンパ腫が再発する症例が見られる。以上のことより、MALTリンパ腫の起源が胃でなく、他の臓器、特に末梢血の由来の可能性が考えられ、末梢血CD20、CXCR3陽性細胞の中のMALTと同一クローンが確認、CXCR3のリガンドであるMIGへの遊走能を発想した。また文献的にも、H.Pylori菌による胃炎でMIGの発現が亢進することが知られている。またCXCR3陽性のB細胞性慢性リンパ球性白血病細胞は、MIGに対して遊走することが、文献的にも知られており、この2点から、MALTリンパ腫患者の末梢血CD20、CXCR3陽性細胞の中にMALTと同一クローンが確認され、MIGへの遊走能が確認されるかを検証した。 MALTリンパ腫の確認を行い、MALTリンパ腫の患者の末梢血より、細胞表面マーカーの解析により、CD20、CXCR3陽性細胞の増加が確認できた。またMALTリンパ腫の患者の末梢血より、リンパ球を分離し、MIGに対する遊走能を確認し、この遊走細胞がCD20、CXCR3陽性であることを確認できた。IgH可変領域の解析により、MALTリンパ腫の患者末梢血のCD20、CXCR3陽性細胞とMALTリンパ腫で、一部の症例では同一クローンの存在が確認できた。またMALTリンパ腫の胃腺管ではMIGが発現されていることが確認できた。以上のことより、MALTリンパ腫の一部の症例では、末梢血のCD20,CXCR3陽性細胞が、胃へ細胞遊走することによりMALTリンパ腫の病変を形成する可能性が考えられた。このことにより、一部のMALTリンパ腫は全身病である可能性、もしくは全身への播種に細胞遊走が関与することが考えらた。
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