細胞内タンパク質の特異的分解制御による癌に対する遺伝子治療法の確立
Project/Area Number |
16659104
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Experimental pathology
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
畠山 鎮次 北海道大学, 大学院・医学研究科, 教授 (70294973)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中山 敬一 九州大学, 生体防御医学研究所, 教授 (80291508)
嘉村 巧 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 教授 (40333455)
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Project Period (FY) |
2004 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2004: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Keywords | プロテアソーム / ユビキチン化 / ユビキチンリガーゼ / Myc / タンパク質分解 |
Research Abstract |
多くの細胞質・核質に存在するタンパク質の分解に関わっているのはユビキチン-プロテアソーム系である。この分解系の特徴は、基質特異性が高く、分解速度が速いことである。分解されるべきタンパク質はユビキチンが鎖状に結合され(ポリユビキチン鎖)、タンパク質分解装置であるプロテアソームがポリユビキチン鎖を認識して標的タンパク質ごと分解する。標的タンパク質のユビキチン化に必要な酵素群の中で、特にユビキチンリガーゼは標的タンパク質を認識し、最終的にユビキチンを付加する重要な因子である。 正常細胞に比べ癌細胞ではいくつかのタンパク質においてその発現の異常が報告されている。癌細胞において、癌遺伝子発現の増加(もしくは安定化)、もしくは癌抑制遺伝子産物の発現低下(もしくは不安定化)が認められることがある。例えば、Myc等の癌遺伝子においては遺伝子増幅が起こり、その発現の増加が認められる。 Mycに特異的に結合する分子Maxが存在するので、このMaxとユビキチンリガーゼであるU-ボックスタンパク質のキメラ分子(Max-U)を作製し、MycがMax-Uによってユビキチン化を受け、プロテアソームによって分解される系を構築した。Max-Uにより、Mycは特異的に認識され、ユビキチン化を受けることがin vitroユビキチン化アッセイにより判明した。また、Max-Uを細胞内に発現させると、Mycの分解速度が速くなることが認められた。さらに、Max-Uを発現させた細胞は、Mycによる足場非依存性増殖や腫瘍形成能力が減弱していることが判明した。以上より、人工ユビキチンリガーゼMax-Uは、Mycをユビキチン化依存性に分解し、その癌化能を抑制することが明らかとなった。
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Report
(2 results)
Research Products
(13 results)