ニューロンとポドサイトに共通する未知なる発育・分化因子の同定
Project/Area Number |
16659226
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Kidney internal medicine
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
塚口 裕康 徳島大学, 大学院ヘルスバイオサイエンス研究部, 助手 (60335792)
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Project Period (FY) |
2004 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Keywords | ネフローゼ症候群 / 小頭症 / ポドサイト / 遺伝子変異 |
Research Abstract |
【背景・目的】ネフローゼ症候群(巣状糸球体硬化,FSGS)と小頭症を合併するGalloway-Mowat(GM)症候群に類似した5症例を対象にゲノムワイド連鎖解析を行い、疾患遺伝子をマッピングする。 【対象】早期腎不全に至った劣性遺伝1家系Aと、やや腎障害の進行が緩徐な1家系C、3弧発例(症例B,D,E)を対象とした。ネフローゼ症候群、中枢神経奇形の臨床症状を呈す患児5人の腎組織像はFSGSで、他の1例はびまん性腎硬化を示した。家系A,症例Eは1-2歳で発症し5歳までに腎不全に至ったが、家系B,C、Dの患者は、学童期に蛋白尿が出現する遅発の経過をとっていた。すべての症例で小頭症、神経発育遅延など中枢神経障害があり、また前額狭小、高口蓋、耳介低位、鞍鼻などの外表異常やGER等の消化器症状の合併を認めた。さらに最近、新たに3人の同胞のうち2人(兄8歳、妹1歳)が発症しているGM症例が調査により判明した。 【結果・考察】5症例の28検体のゲノムDNAを用いて、全染色体に350のマイクロサテライトマーカーを配置し連鎖解析を行った。現在、連鎖ロット値をGenHunter、SimWalk2,Merlinプログラムで解析中である。今回検討したB,C,D症例では腎障害が遅発性であり、古典的GMの3徴(早期発症ネフローゼ症候群、小頭症、食道裂孔ヘルニア)と合致しない。さらに、骨格形成異常も各症例で多様であり、GM症候群はオリジナルの疾患概念よりも、多彩な表現型(発症時期、障害臓器、重症度)を包含する症候群と考えられる。GM症候群はポドサイトと神経細胞の障害が共存しており、両者の分化・発育に関わる因子の異常が主因と推測される。本症はまれな疾患ではあるが、疾患遺伝子を探索することによりFSGSの発症機序や、ポドサイトと中枢神経細胞に共通する分化発育過程の解明が期待される。
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Report
(2 results)
Research Products
(5 results)