プロテインチップを用いた多発性硬化症髄液バイオマーカーの検索
Project/Area Number |
16659228
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Neurology
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
糸山 泰人 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (30136428)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 一郎 東北大学, 病院・助手 (50333810)
藤原 一男 東北大学, 病院・助教授 (70280873)
|
Project Period (FY) |
2004 – 2005
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
|
Budget Amount *help |
¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
|
Keywords | 多発性硬化症 / バイオマーカー / プロテインチップ / 髄液 / シスタチンC / SELDI-TOF / 液体クロマトグラフ・タンデム質量分析装置 / ELISA / プロテオミクス / 蛋白質 |
Research Abstract |
前年度までの研究結果により、多発性硬化症の髄液において13.4kDaの蛋白質の上昇と12.6kDaの蛋白質の低下が有意であることが示された。本年度は該当する蛋白質の同定を行った。 1.プロテインチップを用いた粗精製:プロテインチップの測定条件を変更し、陽イオン交換チップ(CM10)上で、pH5.0の120mM NaCL溶液を用いて粗精製を行った。 2.電気泳動法による精製:イオン交換樹脂(CM樹脂)や限外濾過カラム等を用いて大量の髄液中より粗精製した目的の蛋白質をポリアクリルアミド電気泳動法(SDS-PAGE)にて泳動し、CBB染色にてゲルを染色後、12.6kDaおよび13.4kDaの蛋白質のバンドを切り出し、精製した。 3.質量分析計による解析:電気泳動したゲルより切り出した精製蛋白を、液体クロマトグラフ・タンデム質量分析装置(LC-MS/MS)を用いて解析し、13.4kDaおよび12.6kDaの蛋白のいずれもがシスタチンCであることを同定した。 4.市販のヒトシスタチンC測定キット(ELISA)を用いて多発性硬化症および対照群の髄液中のシスタチン濃度を測定し、多発性硬化症群では正常対照群と比較して髄液シスタチンC濃度が低い傾向にあることを確認した。 以上の結果より、本研究により髄液中に2種類の分子量の異なるシスタチンCが存在することが初めて確認された。さらに、多発性硬化症においては13.4kDaのシスタチンCの増加と、12.6kDaのシスタチンCの減少が認められ、病態との関連が示唆された。12.6kDaのシスタチンCの低下は炎症性中枢神経疾患でも同様に認められており、非特異的な反応の可能性が高いが、13.4kDaのシスタチンCの増加は多発性硬化症の髄液で特異的に認められる現象である可能性があり、マーカーとして有用なだけでなく、病態を考える上で重要な結果と考えられた。
|
Report
(2 results)
Research Products
(3 results)