ヒトES細胞を用いたメタボリックシンドロームに対する新規細胞機能治療法の開発
Project/Area Number |
16659241
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Metabolomics
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
伊藤 裕 京都大学, 医学研究科, 助教授 (40252457)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
海老原 健 京都大学, 医学研究科, 研究員(科学技術振興)(常勤形態) (70362514)
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Project Period (FY) |
2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,600,000)
Fiscal Year 2004: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,600,000)
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Keywords | ES細胞 / メタボリックシンドローム / 前駆細胞 / 細胞移植 |
Research Abstract |
メタボリックシンドロームは肥満に基づく代謝系のバランス破綻の結果、動脈硬化症が進展し心血管事故を引き起こす。ES細胞(embryonic stem cells)は、無限の増殖性とほとんど全ての臓器に分化し得る全能性を有し、再生医療において魅力的なマテリアルである。我々はマウスES細胞を用い、血管内皮増殖因子受容体の一つであるFlk-1陽性細胞が血管を構成する内皮細胞及び壁細胞(ペリサイト及び血管平滑筋細胞)の双方に分化し得る"血管前駆細胞(vascular progenitor cells ; VPC)"であることを発見した。我々はメタボリックシンドロームの病態の本質が、肥満及び生活習慣病による脂肪細胞や血管構成細胞の機能異常にあるととらえ、我々が最近得たヒトES細胞の血管細胞あるいは脂肪細胞への分化誘導の基礎的知見に基づき、"ヒトES細胞由来脂肪血管前駆細胞(human ES cells-derived adipovascular progenitor cells ; hES-AdVPC)"を同定し、hES-AdVPCを用いた基盤研究を実施しメタボリックシンドロームにおける細胞機能異常の是正療法を開発することを目的とする。 (1)ヒトES細胞由来血管前駆細胞の同定とin vitroでの血管細胞の分化誘導:未分化ヒトES細胞は、サル同様に多くの細胞がFlk-1陽性であった。OP-9との共培養分化誘導法により、共培養開始8日からTRA-1陰性、Flk-1陽性の細胞群が出現した。この細胞は、Flk-1+/TRA-1-/VEカドヘリン-/PDGF受容体+であり、VEGF及びPDGF-BB存在下でそれぞれ内皮細胞及び血管平滑筋細胞の双方に分化し、この細胞群がヒトト血管前駆細胞であると考えられた。 (2)マウスES細胞由来VPC(Flk-1陽性細胞)をインスリン、デキサメサゾン、インドメサシン、IBMX、ピオグリタゾン添加にて培養を行うことにより、一部に脂肪滴を有する前脂肪細胞の出現が認められた。 (3)ES細胞のフィーダー細胞であるOP9ストローマ細胞も上記(2)の条件で培養を行うと、高率に脂肪細胞が分化した。 (4)マウスES細胞由来VPCをOP9より分化誘導した脂肪細胞と共培養を行うことで、高率にVPCから内皮細胞の分化誘導が認められた。 以上より、血管細胞と脂肪細胞が共通の前駆細胞より分化し得る可能性、及び双方の分化における細胞相互作用の重要性が示された。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)