脂肪細胞の増殖・分化における血管新生の意義:脂肪細胞に由来するVEGFに着目して
Project/Area Number |
16659246
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Endocrinology
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
小川 佳宏 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 教授 (70291424)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 信行 京都大学, 大学院・薬学研究科, 教授 (10110610)
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Project Period (FY) |
2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
Fiscal Year 2004: ¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
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Keywords | VEGF / 血管新生 / 肥満 / レプチン / 血管内皮細胞 / STAT3 |
Research Abstract |
本研究では、脂肪細胞の増殖・分化における血管新生の意義を明らかにするために、脂肪細胞におけるVEGF遺伝子発現の変化を検討した。更に、肥満の脂肪組織ではレプチンの産生が著しく増加することが知られているが、レプチンは血管新生促進作用を有することが報告されているため、レプチンの血管新生促進作用におけるVEGFの機能的意義を検討した。分化誘導前、分化8日後、21日後の3T3-L1脂肪細胞を用いた検討により、脂肪細胞分化の進行に伴ってVEGF遺伝子発現は徐々に減少することが明らかになった。肥満の脂肪組織ではマクロファージの浸潤が増大することが報告されているが、脂肪細胞とマクロファージの共培養系におけるVEGF遺伝子発現は、共培養24時間後において約2倍に増加していた。しかしながら、高脂肪食負荷により誘導される肥満では、脂肪組織におけるVEGF遺伝子発現には明らかな変化は認められず、むしろ48時間の絶食後におけるVEGF遺伝子発現は著しく亢進していた。以上のように、脂肪細胞(組織)におけるVEGF遺伝子発現には肥満や痩せあるいは脂肪細胞の増殖・分化との関連において一定の傾向が認められなかった。虚血性網膜血管新生モデルを用いた検討により、レプチンを欠損するob/obマウスでは明らかに抑制されていたが、レプチン過剰発現トランスジェニックマウスでは強力な網膜血管新生の亢進が確認できた。培養ブタ網膜血管内皮細胞を用いた検討により、血管内皮細胞においてレプチンはレプチン受容体を活性化し、細胞内情報伝達系としてSTAT3系を活性化することにより、VEGFの産生を増大し、これにより血管新生を促進させる可能性が示唆された。以上より、レプチンの血管新生促進作用の一部にVEGFの産生亢進が関与する可能性が示唆された。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)