Project/Area Number |
16659328
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Radiation science
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Research Institution | Hamano Life Science Research Foundation |
Principal Investigator |
加藤 俊徳 (財)濱野生命科学研究財団, 研究員 (20358815)
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Project Period (FY) |
2004 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
Fiscal Year 2006: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 脳 / 酸素交換 / 脳酸素交換機能(COE) / 近赤外線 / 毛細血管 |
Research Abstract |
生体の中を流れる血液と組織の細胞との間には、エネルギー交換が行われていることが知られている。その代表的なエネルギーの要素は、酸素、グルコースである。酸素は、血球によって運搬される。しかし、血球によって運搬された酸素の量と細胞で消費される酸素の量は一致していないことも知られている。すなわち、毛細血管内に酸素が運ばれても、素通りする酸素がある。そこで、消費される酸素の中心をFORCE (fast oxygen response in capillary event)と名づけ、素通りする現象をWatering-the-garden effect,すなわちウォーターリング効果とした。毛細血管内でのフォース効果とウォーターリング効果を見る酸素交換現象OE(オーイー)の計測法を開発した。酸素の分子は、小さすぎて、非侵襲に頭皮上から直接的に出来なかったが、酸素調節を捉えることで、酸素動態そのものの計測に成功した。この酸素動態は、オイラーの公式で、幾何学的に表現できることも明らかになった。生体の酸素交換現象が、数学上もっとも美しい式といわれるオイラーの公式から、指数関数、あるいは、三角関数による非線形変動をしていることが明らかになってきた。 そこで、従来のNIRS, PET, fMRIに使用されている脳計測上のドグマとされてきた脳血流(CBF, CBV)の増加反応を再察すると、COE(シーオーイー)すなわち、脳酸素交換現象を従来の計測法は、全く計測できていなかったことが明らかになった。従来のCBFを指標とした計測法は、毛細血管におけるフォース効果やウォーターリング効果が起こった後の、静脈に流れ込んだ使用済み血液の下水を見ていたことが明らかになった。これを、脳外静脈性下水道効果と名付けた。脳外とは、毛細血管内反応を脳内とするとその後の下水反応は、脳外反応と言えるからである。特に汎用されてきたfMRIの技法は、脳外静脈性下水道効果を強調して検出していることがわかった。実際に、指運動の中心をTMSで検出し、COE計測を行ってみると、指の中心には、FORCE効果がみとめられ、その周囲は、ウォーターリング効果がおこり時間と経過とともに脳外静脈性下水道効果が出現した。この研究によって、生体酸素交換の基礎原理が明らかになり、脳酸素交換の基礎から臨床応用までの実証がなされた。今後の産業上の応用拡大が期待される。
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