麻酔薬の動脈硬化予防作用の臨床応用を目指した研究-麻酔薬の新たなる作用の検討-
Project/Area Number |
16659429
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Anesthesiology/Resuscitation studies
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
重松 昭生 産業医科大学, 学長 (30037428)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
南 浩一郎 産業医科大学, 医学部, 講師 (70279347)
堀下 貴文 産業医科大学, 医学部, 助手 (40369070)
上園 保仁 長崎大学, 大学院医歯薬総合研究科, 助教授 (20213340)
佐多 竹良 産業医科大学, 医学部, 教授 (60128030)
白石 宗大 産業医科大学, 医学部, 助手 (40389458)
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Project Period (FY) |
2004 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | 血管平滑筋増殖 / 麻酔薬 / 静脈性麻酔薬ケタミン / 細胞内cAMP / [^3H]-thymidine / 血管障害性動脈硬化 / 動脈硬化 / 生活習慣病 / 動脈平滑筋 / 静脈性麻酔ケタミン / ^3H-thymidine / 細胞内リン酸化酵素 |
Research Abstract |
近年、虚血性心疾患の合併症をもつ患者の手術件数は増加の一途をたどっている。これらの予防に血管平滑筋増殖を抑制することがこれらの発生予防につながり種々の対策が模索されている。一方、麻酔薬は手術に広く使用されているにもかかわらず、現在まで麻酔薬の動脈平滑筋の増殖に与える影響については良く知られていない。申請者らは現在までに静脈性麻酔薬ケタミンは細胞内cAMPの上昇を介して細胞増殖を抑制するという麻酔薬の新たな作用を見いだした。この麻酔薬の細胞増殖抑制作用は血管平滑筋増殖にも大きな影響を及ぼしているだろうと考えられるが、短期的、長期的にも血管平滑筋への作用を検討した報告はない。今回申請者らは血管平滑筋細胞の増殖機能にどのように麻酔薬が作用するか検討する目的で、培養ヒト冠動脈、大動脈平滑筋細胞を用いて、 1.静脈性麻酔薬が培養ヒト大動脈平滑筋細胞の増殖にどのように作用するかを[^3H]-thymidineの取り込みおよび細胞数の増加を解析した結果、ケタミンが培養ヒト大動脈平滑筋細胞への[^3H]-thymidineの取り込みおよび細胞数の増加を抑制した。 2.これらの反応の機序に細胞内燐酸化酵素Protein Kinase Cが関与していることが明らかとなった。 3.さらに、ラットを用いてバルーンカテーテルによる血管障害性動脈硬化を作り、ケタミン投与がその増殖を病理学的にも抑制していることを確認した。以上の研究で本研究の目的を達成したと考えられる。 現在は、先天的に動脈硬化を容易に起こす動脈硬化モデルマウスを用いて、長期間経口により投与し、病理学的に麻酔薬の持続低量投与が細胞増殖を抑えて動脈硬化を予防しえるか検討し、培養ガン細胞に対しても増殖抑制作用があるのかもスクリーニングを行っており、本研究により麻酔薬の生活習慣病予防につながる新たな作用が今後発見される可能性が示唆された。
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Report
(2 results)
Research Products
(14 results)