Budget Amount *help |
¥3,100,000 (Direct Cost: ¥3,100,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2004: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Research Abstract |
1)ヒト尿路性器組織における自律神経受容体を介した遠心性および求心性神経伝達機構のなかで交感神経α1受容体、バニロイド受容体、一酸化窒素に関するものおよび細胞内伝達機構のうちの脱感作機構についていくつかの知見を得て、公表した。 2)ラット膀胱上皮に発現するENaCが、伸展刺激による膀胱上皮からのATP放出をコントロールすることにより膀胱求心性情報伝達に関与している可能性を証明した(Du et al.,投稿中)。またヒト膀胱上皮におけるENaCの発現をはじめて証明し、過活動膀胱を伴う閉塞膀胱(前立腺肥大症)において上皮のENaCがup-regulateされることから、過活動膀胱発生メカニズメムに対するENaCの関与を示唆する報告を行い(Araki et al,2004)、特許を取得した。 3)ヒト膀胱での大コンダクタンスCa^<2+>感受性K^+チャネル(BKチャネル)BKチャネルサブユニットの発現形式、膀胱出口部閉塞(BOO)に関連する変化について、下部尿路閉塞(以下BOO)のない非閉塞膀胱と前立腺肥大症による閉塞(BOO)膀胱を用いて、RT-PCR法を用いて、BKチャネルサブユニット(α、β1,2,3,4)の遺伝子発現と、BKチャネル蛋白の局在と発現を調べた。その結果、膀胱粘膜、筋層ともにα、β1サブユニット遺伝子の存在を認め、筋層により多く発現した(α:p=0.005,β1:p=0.0001)。BOO群では粘膜、筋層どちらも発現レベルが有意に低下していた(粘膜α:p:0.03,β1=p=0.02、筋層α:p=0.0003,β1:p=0.0003)。免疫組織化学的検索ではBKα、BKβ蛋白が粘膜下層と筋層に観察され、BOO群の筋層での発現が少ない傾向がみられた。以上から、BOOによって起こる過活動膀胱にはBKチャネル量の減少が関与していることが示唆された。 現在、ASIC, TRPV1,TRPM8,TRPA1などの膀胱における発現および機能的役割についての予備的実験が進行中であり、すでに一定の成果を得ている。
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