患者個人の癌細胞を用いたテーラーメイド医療の確立のための基礎的検討
Project/Area Number |
16659449
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Obstetrics and gynecology
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
藤井 信吾 京都大学, 医学研究科, 教授 (30135579)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
刈谷 方俊 京都大学, 医学研究科, 講師 (90243013)
樋口 壽宏 京都大学, 医学研究科, 助手 (00283614)
福原 健 京都大学, 医学研究科, 研究員(科学技術振興) (00362533)
|
Project Period (FY) |
2004
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
|
Budget Amount *help |
¥3,100,000 (Direct Cost: ¥3,100,000)
Fiscal Year 2004: ¥3,100,000 (Direct Cost: ¥3,100,000)
|
Keywords | 婦人科癌 / 細胞培養 / 低酸素 / 線維芽細胞 / 感受性試験 / 培養液 / 増殖能 / テーラーメード医療 |
Research Abstract |
本研究の目的は、増殖させた癌細胞を用いた薬剤感受性や放射線感受性試験、遺伝子解析などからテーラーメイド医療を展開するための基礎として婦人科癌の効率的な初代培養法を確立することである。 手術時に婦人科癌組織を採取し細胞培養を行った。卵巣癌10例、卵管癌2例、子宮体癌5例、子宮頚癌3例の計20例より癌組織を採取した。特に、酸素毒性に注目し、インキュベーターの酸素濃度5%と20%で初代培養を試みた。すると、20%酸素濃度下では、すべての例で、数日で細胞が死滅するか、線維芽細胞優位になった。一方、5%酸素濃度下では、13例(65%)で癌細胞の増殖が見られた。上皮系由来の細胞であることは、位相差顕微鏡による観察に加えて、FACSで上皮性のマーカーであるEMAやCytokeratinの発現をみることにより確認された。5%酸素濃度化で培養可能であった癌細胞については20%酸素濃度化に移すとすべて死滅し、この培養成功率の上昇が酸素濃度の差異に基づくことが示唆された。以上より婦人科癌に対し、5%酸素濃度下においては半数以上で癌の初代培養が可能であることを明らかにした。 次に初代培養成功例でも培養を続けると線維芽細胞が優位になることから、磁気ビーズを用いた、あるいは含有するvalinがD-valinからなる培養液を用いた培養により、線維芽細胞増殖の抑制を試みた。抑制効果は認めたものの、残った癌細胞の増殖は不良で、線維芽細胞の混入という問題も、問題の本質はむしろ線維芽細胞ではなく癌細胞自身の増殖に問題のあることが示唆された。 さらに遺伝子解析等に充分な試料量を提供するためには継代し、細胞数を増やす必要があるが、この点については3回以上の継代に成功したものはなかった。先の増殖の問題もあわせ、現在、培養液の組成などの他の条件について検討中である。
|
Report
(1 results)
Research Products
(6 results)