Research Project
Grant-in-Aid for Exploratory Research
経時的に眼圧を測定するためには、現在ウサギで使用されているテレメトリーと同様な原理で、眼内に圧センサーと留置し、体内に発信装置を埋め込まなくてはならないが、装置が2cm程度とかなり大きいため侵襲が強く長期的には好ましい装置とは言えない。そこで今年度は以下の3点から研究を開始し、以下の結果を得た。1.極小圧センサーの開発もしくは探索1.2mm平方のひずみゲージタイプの圧センサーを手に入れることができた。これは最近臨床的にも眼圧を測定できる方法として開発された機械にも搭載されている。このセンサーを用いて測定するために電圧および供給電力のためのライン必要で、無線化することができなかった。この点をクリアすれば将来的に眼内に埋め込むことができると考えられ、工学部の研究室や企業と共同で電磁式あるいはペルチェ素子などによる電力供給手段を模索したが、最終的には十分な電力量が得られず、将来的な新規開発手段が必要と考えられた。2.眼内からの発信装置のマイクロ化発信装置はマイクロ化可能であるが、電力供給が問題であることが判明した。常に運動している眼球に対しては、有線による信号転送ではノイズが多く微少な電圧の変化がとらえられない。無線化により信号を発信する方法が望ましい。当研究室では限界があるため、多方面の国産電機メーカーに依頼を行っているが、装置の小型化には現状の技術では限界があった。3.眼内取り付け手技の確立と圧センサーの感度現在直径約1.2mmの圧センサーをもちい、水を充填した直径1mmチューブを接続して眼内に留置する方法を動物実験で試みることにした。サルが理想的であるが、高価であることと研究の実現性から考えて、十分な基礎眼圧情報があるマウスを用いることにした。全身麻酔下前房にチューブを留置し、麻酔覚醒時に至るまで経過を見た。眼内圧は15mmg前後であり、薬剤や生理的変動範囲は+/-10mmg程度であると考えられた。当該圧センサーは全身麻酔をかけた静止状態では十分な変動を関知しうるが、微少な眼球運動でもチューブが移動するのに伴いノイズが発生し眼圧変化がとらえられない事象が発生した。従って圧センサーそのものを眼内に留置する方法を引き続き行わざるを得ない。大きさと手技的には現センサーで応用可能であることが判明した。将来的には発信装置が小型化すれば実現可能であると考えられる。