自然免疫の破綻に起因する眼表面炎症性疾患の存在の解明とその新しい制御方法の開発
Project/Area Number |
16659477
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Ophthalmology
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
木下 茂 京都府立医科大学, 医学研究科, 教授 (30116024)
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Project Period (FY) |
2004 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | 自然免疫 / 眼表面炎症 / 眼表面上皮 / IκBζ / モデルマウス / IκB-ζ |
Research Abstract |
昨年度、我々は129/Ola×C57BL/6遺伝子背景のIκBζノックアウト(KO)マウスにおいて生後、眼表面炎症が自然発症することを報告した。このIκBζKOマウスにみられる眼表面炎症は、結膜杯細胞の消失ならびに結膜下へのリンパ球浸潤を伴う。ヒトの眼表面炎症性疾患において結膜ゴブレット細胞の消失を認めるのは、Stevens-Johnson症候群や眼類天疱瘡である。我々は、このIκBζKOマウスをBalb/c遺伝子背景へ純系化し、表現形を均一化して病態を解析した。その結果、Balc/c遺伝子背景のIκB-ζKOマウスは、すべて生後4週齢で眼表面炎症を発症し、遅れて口囲皮膚にも炎症を認めた。炎症が進行するに伴い眼瞼の腫脹が生じ、続いて眼瞼・口囲皮膚の脱毛を生じた。時間の経過とともに眼瞼の腫脹は軽減し、それに伴い眼瞼の乱発毛を認めるようになった。さらに、生後半年ぐらいで、眼瞼の腫脹は消失し、角膜の混濁が明らかとなった。組織学解析では、以前報告した129/Ola×C57BL/6遺伝子背景のIκBζKOマウスと同様に結膜杯細胞の消失ならびに結膜下への炎症細胞浸潤を認めた。さらに、口囲皮膚の組織学的解析では、表皮ならびに真皮内の炎症細胞浸潤をみとめ、表皮内には、アポトーシス細胞を認めた。 このBalc/c遺伝子背景のIκBζKOマウスにみられる、1)眼瞼・口囲皮膚の著明な炎症、2)脱毛ならびに乱生、3)結膜ゴブレット細胞の消失、4)皮膚表皮のアポトーシス細胞、は、Stevens-Johnson症候群患者にみられる所見と一致する。したがって、このマウスは、Stevens-Johnson症候群のモデルマウスになりえ、このマウスの眼表面炎症発症機序の解明は、Stevens-Johnson症候群にみられる眼表面炎症の病態解析につながると考えられる。今後も研究を継続する予定である。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)