重症感染症における炎症誘導因子と致死性因子に対する同時性多重分子標的治療法の開発
Project/Area Number |
16659493
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Emergency medicine
|
Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
阿邊山 和浩 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 客員助教授 (30284897)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丸山 征郎 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (20082282)
橋口 照人 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (70250917)
鵜島 雅子 大分大学, 医学部, 助手 (90336256)
|
Project Period (FY) |
2004
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
|
Budget Amount *help |
¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
Fiscal Year 2004: ¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
|
Keywords | HMGB1 / sepsis / lethality / anti-inflammatory oligonucleotide / NF-kB / decoy ODN |
Research Abstract |
今年度の研究において、敗血症・多臓器不全状態時の破壊された組織や細胞より遊離逸脱し『個体死へのメディエーター』として働くHMGB1蛋白に対して、その機能(炎症惹起・持続作用)を効率よく阻害しうるoligo-deoxynucleotide (ODN)の作成を試みた。1)NF-kBとHMGB1の2つの蛋白を特異的に結合することを期待して作成された最小の2本鎖ODN (NF-kB認識配列GGGTTTACCCを含む20mer DNAデコイでUVC(500 J/m^2)照射処理をおこなったもの:シクロブタンピリミジンダイマー形成(CPD)化NF-kB decoy)と、UV照射処理を施されていないODN(NF-kB decoy)の抗炎症作用の比較を行った結果、ヒト単球・マクロファージ系の細胞において、無刺激あるいは、LPS刺激時の場合、両方のODNに同程度の炎症性サイトカイン産生を低下させる作用が存在することが判明した。しかしながら、CPD化したものは、HMGB1が関与する炎症性サイトカイン産生(細胞を融解させたときの可溶化上清やHMGB1で刺激した場合)に対して強く抑制する傾向がみられた。NF-kB認識配列を含まないODNに対するCPD化したものを用いた実験においては、どちらのODNにもHMGB1非依存的な炎症刺激に対しての抗炎症作用は確認されなったが、CPD化したものには、HMGB1が関与する炎症性サイトカイン産生のみを抑制する傾向がみられた。したがって、われわれの作成したCPD化NF-kB decoyには同時にNF-kBとHMGB1の2つの蛋白の機能を阻害でき、現時点ではIn vivoでの効果は期待できるほどのものではないが、核酸の安定性・ドラッグデリバリーなどの問題が化学修飾等により解決できるのであれば、敗血症治療目的の核酸製剤の候補になりえることが本研究により示唆された。
|
Report
(1 results)
Research Products
(5 results)