Project/Area Number |
16659498
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Morphological basic dentistry
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
小野 和宏 新潟大学, 医歯学系, 教授 (40224266)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高木 律男 新潟大学, 医歯学系, 教授 (20143795)
前田 健康 新潟大学, 医歯学系, 教授 (40183941)
井上 佳世子 (野澤 佳世子) 新潟大学, 医歯学系, 助手 (90303130)
河野 芳朗 新潟大学, 医歯学系, 助手 (60303129)
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Project Period (FY) |
2004 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2004: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
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Keywords | 顎関節 / 関節腔形成 / 血管新生 / CD31 / RECA-1 / ED1 |
Research Abstract |
様々な仮説が提唱されている顎関節腔形成機序において、血管進入との関係を明らかにした報告はほとんど存在しない。本研究では、ラットの関節腔形成における血管新生とそれに伴う組織破壊酵素の関与を明らかにするために、血管内皮細胞、マクロファージの動態に着目し、それぞれのマーカーであるCD31,RECA-1およびED1を用いた免疫組織化学的手法にて検索し、以下の結果を得た。 ラット顎関節腔は、上関節腔が胎生21日から生後1日で形成され、続いて下関節腔形成が生後1日から3日に起こる。側頭骨、下顎頭、関節円板原基が出現し、関節腔形成領域が明らかになる胎生19日から21日にかけて、上関節腔形成予定部位の間葉組織内に多数のED1陽性マクロファージが侵入する。また、下顎頭表層に沿って、CD31,RECA-1陽性血管内皮細胞の配列と毛細血管の侵入を認めた。上関節腔形成が開始する胎生21日以降、形成途中の腔周囲および円板内にマクロファージが散在し、生後1日の上関節腔完成後は、滑膜内に広く存在し、一部は表層細胞層へも配列していた。一方、胎生21日から下関節腔形成開始までは、下顎頭表層に配列していた毛細血管はそれと直交するように下顎頭内へも深く走行していたが、下関節腔形成の進行に伴ってこれらの血管内皮細胞は消失し、生後3日には滑膜内と下顎頭表層の血管のみにCD31陽性反応を認めた。関節腔形成におけるアポトーシスの関与をTUNEL法にて検討したが、上下とも陽性反応は認められず、積極的な関与は起こらないと考えられた。 以上より、顎関節関節腔形成は、時期、機序において上下で異なることが明らかとなった。上関節腔形成は、マクロファージの侵入により間葉細胞間が拡大して裂隙が形成され、下関節腔形成では、血管内皮細胞の侵入と血管腔の形成により円板と下顎頭の間が押し広げられることにより腔が形成されることが示唆された。
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