Budget Amount *help |
¥3,100,000 (Direct Cost: ¥3,100,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Research Abstract |
口腔粘膜上皮を構成している細胞には,角化上皮細胞以外に,プロフェッショナル抗原提示細胞であるランゲルハンス細胞と上皮内T細胞が存在し,この3者間において,膜表面分子,あるいはサイトカインを介した相互作用によって免疫応答が営まれている.口腔粘膜上皮は,微生物やそれ以外の様々な外来刺激・ストレスを受ける最前線にあり,種々の寛容誘導・維持機構が備わっているはずであるが,その破綻により様々な病的状態が生じる.CD86(B7-2)発現制御もその重要な機構の一つである.慢性炎症状態の粘膜上皮においては,T細胞活性化において重要な補助シグナル分子CD86がプロフェッショナル抗原提示細胞のみならず,角化上皮細胞や上皮内T細胞上に異所性発現が認められ,炎症治癒遅延機序にCD86が関与することが示唆されている.それで我々はCD86分子に注目し,それをRNAiをもちいたノックダウンにより,慢性炎症をコントロールすることを試みた.前回,CD86分子の発現を効果的にノックダウンする配列を有する二本鎖RNAを同定したことを報告した.今回,マウス接触性過敏症モデルにおいて,その二本鎖RNAのin vivoでの効果を検討した.DNFBあるいはFITCをハプテン抗原とし,感作後,耳介への再刺激直前に上記の二本鎖RNAを投与し,続いて感作を行い,耳介腫脹反応を測定した.その結果,CD86抑制二本鎖RNA群は,コントロール二本鎖RNA群と比較して耳介腫脹反応において,有意に抑制が認められた.この結果は,in vivoにおける慢性炎症のコントロールに成功したことを示している.また,これまで未開拓であった,「RNAiのin vivoでの応用」において非常に意義があると考えられ,さらなる基礎データの蓄積により臨床応用も充分に期待できる.
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