Project/Area Number |
16659521
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Pathobiological dentistry/Dental radiology
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
中村 卓 長崎大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 教授 (30172406)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
角 美佐 長崎大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (90284702)
木村 泰男 長崎大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 助手 (30253686)
角 忠輝 長崎大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 助手 (80284701)
片山 郁夫 長崎大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (80295089)
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Project Period (FY) |
2004 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2004: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Keywords | bFGF / マウス / 顎下腺 / 器官培養 / X線 / 防護 |
Research Abstract |
ヒトbasic fibroblast growth factor(bFGF)は強力な血管新生作用と線維芽細胞増殖促進作用を有する成長因子である。このため、bFGFは最近褥瘡、皮膚潰瘍の創傷治癒促進剤として臨床応用されている。基本的にはこの効果は(1)血管内皮細胞の遊走、増殖にひきつづいておこる血管膜の形成と(2)線維芽細胞の増殖による肉芽形成促進によりもたらされていると考えられている。この研究ではこうしたbFGFのもつ働きに注目し、この成長因子を頭頸部放射線治療に伴う重大な作用の1つである唾液腺機能障害の予防ならびに治療へ応用する可能性を探るための基礎データを得ることを目的とした。 前年度までは放射線照射の唾液腺細胞への影響を調べたが、bFGFが積極的に放射線防護に関与しているというデータは得られなかった。一方、ごく最近になってマクロファージが腫瘍細胞の転移や進展さらには乳腺などの発生のさいの管腔形成に重要な役割を果たしているとの報告がなされた(cell 124,263-266,2006)。そこで、この研究の最終段階では、マクロファージの成長因子であるmacrophage colony-stimulating factor(MCSF)が存在する場合としない場合とで、放射線照射に対するマクロファージの感受性がどのように異なるかを調べた。その結果1)5-20Gyの範囲のX線照射に対し、マクロファージはお互いに集簇する動きをすること。2)この働きにはマクロファージ表面スカベンジャーレセプターであるCD36が深く関与すること。3)こうしたマクロファージの応答にはMCSFの存在が不可欠であることが明らかになった。こうしたマクロファージの応答が間接的に乳腺や唾液腺の腺管構造の発生や維持に何らかの役割を果たしていることが推察された。この結果は、平成17年度日本歯科放射線学会総会(新潟市)にて発表した。
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