幹細胞再生医療のための細胞増殖因子グラジエント化足場の創製
Project/Area Number |
16680021
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Biomedical engineering/Biological material science
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山本 雅哉 京都大学, 再生医科学研究所, 助手 (10332735)
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Project Period (FY) |
2004 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥19,110,000 (Direct Cost: ¥14,700,000、Indirect Cost: ¥4,410,000)
Fiscal Year 2005: ¥8,450,000 (Direct Cost: ¥6,500,000、Indirect Cost: ¥1,950,000)
Fiscal Year 2004: ¥10,660,000 (Direct Cost: ¥8,200,000、Indirect Cost: ¥2,460,000)
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Keywords | 細胞増殖因子 / 足場材料 / 濃度グラジエント / 幹細胞 / 再生医療 / 生体組織工学 / 傾斜機能化材料 |
Research Abstract |
生体組織の発生や再生プロセスにおいては、細胞の時間的、空間的な増殖、分化が重要であり、この制御が、時間的、空間的、濃度的に最適な条件でタンパク質などの生理活性物質が配置された細胞の周辺局所環境によって行われていることが知られている。そこで、このような細胞の周辺局所環境を空間的に変化させるために、官能基濃度のグラジエントをもつ傾斜機能化材料を作製し、それらの材料上での細胞の接着ならびに増殖について検討した。 ポリアクリルアミドを表面グラフト化した不織布に対して、高分子鎖の酸アミド結合を一方向の濃度勾配をもつように加水分解反応することによって、官能基濃度のグラジエントをもつ傾斜機能化材料を得た。また、濃度勾配は加水分解の反応条件により変化させることができた。導入したカルボキシル基に対して両末端アミノ基をもつ化合物をリンカーとして、ヘパリンを縮合反応により導入した。多くの細胞増殖因子はヘパリンに親和性があるため、その一例として塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF)を用いたところ、ヘパリンを介して傾斜的にbFGFが導入されていることがわかった。次に、bFGFをグラジエント化した足場材料へラット大腿骨から単離した間葉系幹細胞(MSC)を播種したところ、bFGFの濃度に依存して、足場材料内での増殖がグラジエント化されることがわかった。 細胞増殖因子と足場材料とを組み合わせる試みとして、細胞増殖因子遺伝子を固定化した足場材料を作製した。骨分化を促進する遺伝子を固定化したコラーゲンスポンジにMSCを播種した後、バイオリアクターを用いて培養を行い、同系のラットの背部皮下へ埋入した。その結果、遺伝子が固定化された足場材料上で培養したMSCのみが骨再生を示すことがわかった。このことは、遺伝子を固定化した機能性足場材料を用いることにより、幹細胞の分化をコントロールできることを示唆している。これらの知見を傾斜機能化材料へ応用することにより、幹細胞の増殖分化を傾斜的にコントロールすることができる足場材料を設計することができると考えられる。
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Report
(2 results)
Research Products
(5 results)