THz光顕微鏡・走査型電位計の高性能化とそれを用いた半導体量子構造の電子物性研究
Project/Area Number |
16684007
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Condensed matter physics I
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
河野 行雄 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (90334250)
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Project Period (FY) |
2004 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥14,690,000 (Direct Cost: ¥11,300,000、Indirect Cost: ¥3,390,000)
Fiscal Year 2005: ¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2004: ¥10,010,000 (Direct Cost: ¥7,700,000、Indirect Cost: ¥2,310,000)
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Keywords | THz光顕微鏡 / 走査型電位計 / 量子ホール効果 / サイクロトロン発光 / ノイズ / 雑音センサー / 1 / f雑音 |
Research Abstract |
今年度は、昨年度高性能化を達成した2種類のイメージング計測技術-THz光顕微鏡、走査型電位計-を半導体試料に応用した研究を主に行った。成果は以下の2点である。 (1)THz光顕微鏡による研究: 昨年度に引き続き、量子ホール素子から放射されるサイクロトロン発光の伝導チャネルサイズ依存性を系統的に調べた。実験結果から、発光領域が、伝導チャネルの幅に応じて(電流密度が一定であるにもかかわらず)著しく変化する様子を明確にとらえることに成功した。この結果から、量子ホール素子による波長可変テラヘルツレーザーの実現に向けて、デバイス設計の有用な指針を与えることができた。 (2)走査型電位計による研究: 開発した走査型電位計をノイズセンサーとして応用することで、量子ホール素子におけるノイズ電圧の空間マッピングを行った。量子ホール状態から弱磁場側にずれた領域で、ノイズ電圧が試料の片側に偏って発生し、一方、強磁場側にずれた領域では、試料全体にわたって発生することを見出した。この実験結果から、前者は局在状態-非局在状態間の電子の飛び移り、後者は非平衡エッジ状態にある電子のバルク状態への不規則的な緩和が背後のメカニズムであることが分かった。 以上のうち、(1)はPhysical Review Letters誌に掲載、(2)はApplied Physics Letters誌に掲載、7th International Conference on New Phenomena in Mesoscopic Structures/5h International Conference on Surfaces and Interfaces of Mesoscopic Devices (Hawaii, Nov.27-Dec. 2, 2005)において招待講演を行い、(1)と(2)に関する総合的な成果報告を、日本物理学会秋季大会(同志社大学、2005年9月)においてシンポジウム講演として行った。
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Report
(2 results)
Research Products
(11 results)