Research Project
Grant-in-Aid for Young Scientists (A)
本年度は、「ストライプ」状態を持つLa系銅酸化物(LSCO・LNSCO)を中心に、超伝導状態・常伝道状態に対する磁場効果を測定した。「光学ホール係数測定装置」による光学測定の他、ミュオンスピン緩和法など、磁気的な手法も組み合わせ、「ストライプ」状態に関してスピン電荷結合の全貌を明らかにしようとした。その結果、以下のような結果を得た。1.ストライプが動的揺らぎにとどまる物質(LSCO)の超伝導凝集量は、光学的な測定と磁気的な測定法で大きく食い違う、という予想外の結果が得られた[研究成果4]。このことは、磁場誘起ストライプ形成が、中性子散乱など、磁気的手段では準静的エネルギー領域に観測されるのに対し、光学ホール係数測定を初めとする、光学的測定では、もっとエネルギーの高い動的な領域に自由度が大きく残っているように見えるという結果に関連する。2.ストライプを静的に安定化させた物質(LNSCO)の磁気光学効果は、これまで知られているどの銅酸化物系のそれより大きく、単純なエネルギースケールの議論では、理解できない程度の大きさとなっている。ストライプ形成下での電気伝導と磁場という自由度には、大きな結合様式があることを示唆する。磁場による超伝導秩序の低下と磁性の出現・競合の問題をLSCO系だけでなく、他の銅酸化物でも測定し、比較してみたが[研究成果1,5]、磁性出現は、LSCOアンダードープの特質であり、「ストライプ」の寄与が顕著であることが確認された。
All 2005 2004
All Journal Article (11 results)
Physical Review Letters 95
Low Temperature Physics 31
Pages: 780-785
Physical Review B 71
Journal of Physical Society of Japan 74
Pages: 2408-2412
Physica C 426
Pages: 345-350
Physical Review B 70
Pages: 944021-9440210
Physical Review B 69
Pages: 1045231-1045235
Physical Review Letters 92
Pages: 1374021-1374024
Pages: 2051281-2051285
Journal of Physical Society of Japan. 73
Pages: 2944-2947