Research Project
Grant-in-Aid for Young Scientists (A)
本研究では、水の光分解反応系および有機化合物の変換反応系を志向した光触媒材料および反応系の設計を目的として、(1)酸化反応サイトとなる触媒(助触媒)の開発と(2)O2p軌道に代わって価電子帯を形成する可視光を有効に利用できる光触媒材料の探索・合成の二つの研究を主に実施した。本年度は、前年度に見出したSn(II)とTi(IV)を含む複合酸化物(Sn-Ti-O)の特性評価を行うとともに、(1)の酸化反応の触媒探索を中心に行った。触媒については十分な機能をもつものが見出せなかったが、研究を遂行しているなかで、白金を担持させたチタン酸ストロンチウムの表面の一部を疎水性シリル化剤と反応させて疎水化した気水界面に集合する光触媒を用いたユニークな水分解反応系を見出した。白金触媒は水の分解反応における水素発生の触媒としてもっとも活性な材料であるが、発生した水素と酸素から水を生成する反応、すなわち逆反応にもきわめて活性であるため、白金微粒子を担持させた光触媒での水の分解反応は進行しないことが知られていた。本研究で見出された反応系では、光触媒粉末を気水界面に集合させることで、発生した水素と酸素の気相への拡散か容易になるため、逆反応が抑制され、水の分解反応が効率よく進行した。また、この気水界面に集合する光触媒系についての検討をさらにすすめていくなかで、光触媒を多孔性のシリカケージに取り込ませたカプセル型の光触媒材料を開発した。この材料は、(1)シリカの細孔構造による分子サイズ選択性と(2)シリカの親-疎水性の制御による反応特性の制御が可能であることを確認した。
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Catalysis Today (in press)
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