計算複雑さに基づく関数集合の階級付けと論理設計ツールの評価法の確立
Project/Area Number |
16700015
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Fundamental theory of informatics
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
岩本 宙造 広島大学, 大学院工学研究科, 助教授 (60274495)
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Project Period (FY) |
2004 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 2006: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 計算量理論 / 計算複雑さ / 階層定理 / 論理設計 / システム評価 / 計算機モデル / 非決定性計算 / セルオートマトン / 一様論理回路族 / 交代性チューリング機械 / 並列ランダムアクセス機械 |
Research Abstract |
本研究の目的は,論理回路の素子数や段数の最適性が証明できる具体的関数を人工的に作成し,その関数を論理設計CADなどの自動設計システムの評価のために,テスト例題として役立てることである.従来のベンチマーク集合という固定されたテスト例題を用いる手法とは異なった評価システムの構築につなげる目的がある. 平成18年度は,セルと呼ばれる有限オートマトンを一様に配置・接続したセルオートマトンに着目した.セルオートマトンは,並列処理システムの一種であり,決定性という性質をもつ場合にのみ,階層定理が知られていた計算機モデルである.本モデル上で,次の非決定性の時間量階層定理を得た. セルオートマトンの計算過程を並列に拡張した非決定性セルオートマトンに対し,計算時間をt1(n)からt2(n)に大きくすれば,計算能力が真に上昇するという時間階層性が存在する.ただし,t1(n)とt2(n)は,t2(n)≠0(t1(n+1))を満たす時間構成可能関数である.本定理は,t1(n)とt2(n)という二つの時間計算量クラスの間には,クラスを分離する具体的関数が存在することを意味している.計算量クラスを分離する具体的関数は,本質的に計算が難しい関数であり,、システムの性能評価に適しているといえる.本定理の手法には,Seiferasらが提案した再帰的詰め込み論法を用いたところが独創的な点である.本結果は,2007年5月に中国で開催される国際会議(The 4th Annual Conference on Theory and Applications of Models of Computation)に採択されることが決定しており,SpringerのLecture Notes in Computer Scienceに掲載される予定である.
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Report
(3 results)
Research Products
(2 results)