Budget Amount *help |
¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 2006: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Research Abstract |
一般に,鏡面光沢度の測定(JIS Z8741)には光の入射角と受光角を任意に設定することができる3次元変角光度計が用いられる.3次元変角光度計は試料面で反射する光をフォトダイオードで受光し,規定の開き角を通過する光束を測定する装置である.この装置を利用して織物の光沢を定量化する研究が行われているが,測定された光沢度が心理的な光沢感と一致しないなどの課題が残されている.この理由として,織物表面の平滑性が鉱工業製品に比べて複雑であるため,織物表面で生じる光反射のパターン(微小な領域における明暗分布)が複雑になる.このような試料に対して従来の3次元変角光度計で測定した光沢度(平均的な光量)のみでは,ヒトが織物光沢を評価するために必要な視覚的情報として十分な情報量とはいえない. そこで本研究では3次元変角機構を有しかつ受光センサにCCD素子を用いることで微小領域毎に反射光量を測定できる装置を試作した.これにより織物表面で生じる光反射のパターンを詳細に解析することが可能となる.装置の試作に当たって下記(1)の実験を行った.また,(2)に示すように織組織の異なる3種類(平織,綾織,朱子織)および組織や糸密度を一定として撚り方向・数のみを変化させた11種類のブラックフォーマル用織物の輝度分布測定を行った. (1)画像明度と測光量(輝度)の校正実験 画像センサから出力される画像明度はセンサの露光条件によって変化する相対値である.画像明度と測光量である輝度(cd/m^2)との関係を実験によって明らかにすることで輝度分布画像を得ることができる.そこで11段階のグレースケールチャートを被写体として,画像センサおよび輝度計を用いて測定を行った.結果より異なる露光条件で撮像した画像から織物表面の輝度分布を得ることが可能となった. (2)ブラックフォーマル用織物の輝度分布測定 織組織や撚りが異なる織物の輝度分布はいずれの試料においても異なり,特に分布の均一性に違いが見られた.そこで輝度分布の均一性を表す指標を提案して輝度分布画像解析を行った.得られた結果と前年度までに行った織物の視覚的風合いに関する官能量との相関分析の結果,提案した指標は官能量と高度に有意な相関がみられた.このことから,輝度分布の均一性が視覚的風合いに影響することがわかった.
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