Research Project
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
最適化問題では、ローカルミニマムに捕らわれて最適解が得られない場合が多い。この主の問題はNP困難であり、最適解を求める一般的な解法はない。そこで、準最適な解を効率よく求めることが必要である。本研究の目的は、ニューラルネットワークで導入された相関ノイズを最適化問題へ適用し、より良い解が得られるかどうかを評価することである。最適解や準最適解は系のアトラクタとして存在するので、相関ノイズによりアトラクタ間の遷移が効率的に起れば、より良い解に到達する可能性がある。今年度は、主に次のテーマについて検討した。昨年度に引き続き、最適化問題の一例である巡回セールスマン問題に、相関ノイズを導入し、最適解の出現頻度を求めた。最大30都市の場合まで評価を行ったが、従来手法であるシミュレーテッドアニーリングと同様に、規模が大きくなるにしたがって、最適解を得ることが難しくなった。そこで、最適解に近い準最適解の出現頻度を評価した。その結果、同じ計算時間内では、本手法の方がより良い解の出現頻度が高くなる傾向が見られた。すなわち、相関ノイズの方が独立ノイズ等に比べ、効率的に良い解を求めることができることがわかった。次に、相関ノイズの数理的なメカニズムを探るために、連想記憶モデルを用い、アトラクタ間の遷移について調べた。我々の相関ノイズの研究により、相関ノイズは熱ゆらぎ(独立ノイズ)と異り、アトラクタ間の遷移を起こすことが可能であることがわかった。また、どのような条件の場合に、状態遷移が起こり得るかが明らかになりつつある。メカニズムを明らかにできれば、最適化問題においても、さらに良い解を見つけることが可能になると考えられる。以上のように、相関ノイズによる状態遷移のメカニズムに一定の成果が得られ、また、最適化問題においても良い結果が得られた。
All 2007 2006 2005 2004
All Journal Article (21 results)
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