Budget Amount *help |
¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 2006: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
|
Research Abstract |
平成18年度は,確率伝搬法などの関係手法の関係について研究した成果の発表,および工学的な応用として,通信路推定への適用を行った. 成果の発表に関しては,東京工業大学の渡辺澄夫教授の主催した研究会「情報物理学の数学的構造」(2006年6月,京都数理解析研究所)に参加し,情報幾何学との関連に関する数理的な側面に関して発表を行った. 一方,統計物理学との関連に関しては,2007年3月にイスラエル,エイラートにおいて開催された国際ワークショップ「Statistical Physics and its Applications to Complex Problems in Communication」において発表を行った.このワークショップは統計物理と情報理論の分野の研究者が合同で行ったものであった.特に昨年度から研究を行っているSurvey Propagationについては,その提案者が参加していたため,今後の研究のために有用な情報をえることができた. 理論的な興味と同時に工学的な研究についても成果をあげつつある.これは,デジタル衛星放送の移動体における受信についての研究である.移動体,とくに一般の乗用車におけるデジタル衛星放送はほとんど普及していない.これは現状で手に入るシステムが高価で,サイズが大きいことが理由である.情報処理としての困難は,衛星と移動体における受信器間の通信路が定常でないこと,通信路が記憶をもつこと,が挙げられる.この問題に対して,通信路の推定,および通信路に基づく符号語の推論を確率伝搬法によって行い,誤り訂正能力が向上することを実際の測定データを用いて実験的に示した.結果については技術報告を行った.今後,システムの低価格化,省スペース化を実現するための理論的貢献を行っていく.
|