Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2004: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,600,000)
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Research Abstract |
今年度は,まず前年度に達成できなかった質量を持つ物体の相対論的なシンプレクティック数値シミュレーションに成功した.一般にあらゆる物体のシンプレクティック数値積分法による数値シミュレーションは広く普及しているが,本研究課題において開発されたシステムではハミルトニアンの定義のみでシミュレーションが可能である点が大きく異なる.つまり,本システムでは自動微分法により運動方程式が自動的に導出されるため,個々の運動方程式に対しシンプレクティック数値積分法を用いる一般の手法と比べ統一的かつ汎用性・実装の再利用性などで優位である.そのため,近似としてニュートン力学を含む相対論的運動方程式において質量の有無に関わらずシミュレーションが可能になったことは,ハミルトン系のほとんどあらゆるシミュレーションが可能になったことを意味する.その手法の発表により,本研究課題の研究代表者は2006年4月に日本応用数理学会若手優秀講演賞の受賞が決まった. また,本研究期間中に,少なくともいくつかの事象においてシンプレクティック数値シミュレーション技術より性能が良いと主張される全保存型差分法[1]が発表されたため,シンプレクティック数値シミュレーション技術と全保存型差分法の性能比較検討を実施した.その結果,両者にそれぞれ適する対象があることが分かった.同時に,全保存型差分法に対し時間反転性の保存を持たせる時間反転保存全保存型差分法の開発に成功したため,比較検討結果と時間反転保存全保存型差分法について,速報性の高いノートとして日本応用数理学会論文誌に投稿した(受付番号A60016,受付日2006年3月30日).しかし研究期間内に受理には至らなかった. 論文の他には,本研究期間が始まり内容が公知となる直前に,本研究テーマの内容を申請していた米国特許が受理された(US Patent, 6,999,096).ただし当初の研究計画通り,学術目的に関しては無料でソースコード等を使用できるよう,公開の準備を整えた. [1]中西要介,峯崎征隆,中村佳正,離散Kepler運動の時間補正,応用力学研究所研究集会報告No.16ME-S1, Article No.36
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