ケーブルTVの自主製作番組が住民の地域イメージの形成に与える影響に関する研究
Project/Area Number |
16700234
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
情報図書館学・人文社会情報学
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Research Institution | Fukushima University |
Principal Investigator |
佐々木 康文 福島大学, 行政政策学類, 助教授 (30323190)
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Project Period (FY) |
2004 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2006: ¥100,000 (Direct Cost: ¥100,000)
Fiscal Year 2005: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Keywords | CATV / ケーブルテレビ / 自主制作番組 / 地域イメージ / 所属意識 / アイデンティティ / ケーブルTV / コミュティ・ジャーナリズム |
Research Abstract |
CATVの自主制作番組は、従来の地域メディアが扱えない細かい話題を提供可能である。それ故、CATVの自主制作番組を従来の地方TV局が制作する地域情報番組などと併せて視聴すれば、より構造化された地域像がもたらされる可能性がある。また、住民の地域イメージがより豊かなものとなり、地域社会の一体感を高める可能性もある。ただし、本研究が収集した自主制作番組の内容を検討した結果、CATVの自主制作番組には二つの作用があるように思われる。すなわち、日常的に親しんでいる生活領域をこえた大きな地域イメージや所属意識を醸成する作用と、分散している細かい生活領域のイメージや所属意識を強化する作用が存在する。このような二つの作用は、元々は分散していた地区同士が集合して形成された自治体で、なおかつ地区間連携や交流が十分でない場合に、色濃く出てくる可能性が高い。例えば、ある自治体で開催されたイベントに関する番組の場合でも、そのイベントが他の自治体などからも多くの人々が訪れる性質のものであれば、他から訪れた人々を映し出すことなどを通じて、イベントを開催している自治体全体の存在を視聴者に意識させることが可能である。しかし、その自治体の中のより細かい話題を扱った番組の場合、それまで知らなかった地区の実情を知ることからより大きな地域イメージを獲得する可能性がある反面、細かい地区ごとの排他的意識を強める可能性もある。また、そのような可能性を指摘する以前に、自主制作番組の価値を視聴者に理解してもらうことの難しさの問題がある。CATVの自主制作番組に、地域の存立と発展に資する可能性があるとしても、その価値を知り番組を視聴する人々の存在がなければ意味が無い。この課題にいかに取り組むかが、デジタル放送の時代に地方のCATV局が生き残る鍵の一つになるのではないか。
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Report
(3 results)
Research Products
(1 results)