Budget Amount *help |
¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
Fiscal Year 2006: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2005: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Research Abstract |
平成18年度では,本研究の柱となる有意義な具体的な現象として「2重(区間)中途打ち切りデータの推測」と「順位検定の背後に現れるあるセミパラメトリック・モデル」に関して,主に以下のような研究を行った.第1の研究開発では,2重中途打ち切りデータから得られる不完全観測を伴う計数過程に対して,前進マルチンゲール接近法と後退マルチンゲール接近法を定式化し,このタイプの不完全データに対するノンパラメトリック最尤推定量(NPMLE)の性質を調べるために有用な理論を与えた.この双子のマルチンゲール理論を用いて,従来の方法(無限行列,もしくはFredholm積分方程式の表現)よりも統計的性質を理解しやすい形式において,NPMLEや自己一致推定量の漸近性質を定式化する研究を行った.また,この理論に基づいて新しい推定値の提案も行い,最も良いと知られるNPMLEと比べても,その推定力が遜色のない結果を与えることをシミュレーション調査し,さらなる改良(例えば,逆分散法など)によりほとんど一致できる可能性をもつことを与えた.第2の研究開発では,繰り返し測定値における古典的なランク検定(Friedman検定,Pageトレンド検定など)の背後にあるモデルを,層化型Cox計数過程モデル(各個体ごとに異なる潜在基礎ハザードを用いた時変型Coxモデル)により,有意義にモデリングする(共変量調整などへの応用)という提案を行った.このモデルの追加のメリットとしては,古典的なランク検定のように固いバランス型データに限られることなく,広範囲に適用可能であり,不完全データへの対処も優れていることである.この層化型Cox計数過程モデルに対して,有限標本ではシミュレーションにより,大標本では漸近理論によって,回帰係数の推定量の性質を研究した.さらに,ランダム効果であることを表現する各個体ごとに異なる潜在基礎ハザードに対する,推定関数(すなわち,ある確率過程)の統計的分布の性質の大標本理論を研究した.
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