嗅球僧帽細細の匂い応答のアセチルコリン性入力による制御
Project/Area Number |
16700283
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Neuroscience in general
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
柏谷 英樹 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (70328376)
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Project Period (FY) |
2004 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2004: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Keywords | 嗅覚 / 電気生理学 / アセチルコリン |
Research Abstract |
(1)嗅球僧帽細胞の匂い応答の、脳内状態依存的な変化 脳内の神経細胞の感覚刺激に対する応答は、脳波に現れる脳内状態に依存して大きく変化することが知られている。この脳内状態の変化には、脳内のアセチルコリン作動性ニューロンからの入力が関わっていることが知られている。嗅球は強いアセチルコリン性入力を受けていることが知られているため、僧帽細胞にもアセチルコリンを介した脳内状態依存的な匂い応答特性の変化が見られるかを調べた。ウレタン麻酔下で、速波時と徐波時の2つの脳内状態での匂う応答の強度を比較したところ、皮質ニューロンで観察される脳内状態依存的な応答強度の明らかな変化は観られなかった。このことから、嗅球へのアセチルコリン性入力は僧帽細胞の匂い応答強度の変化への寄与は小さいことが示唆された。このデータはMurakami et al(2005)で報告した。 (2)嗅球僧帽細胞と顆粒細胞との樹状突起間シナプスとアセチルコリン性入力 嗅球でアセチルコリン性入力を受ける細胞として、抑制性介在ニューロンである顆粒細胞が知られている。顆粒細胞は僧帽細胞に対してGABA性の抑制性出力を持つことが知られて、僧帽細胞間の側方抑制や同期的発火活動に寄与していると考えられている。この顆粒細胞-僧帽細胞間の抑制性シナプス出力がアセチルコリン性入力によって制御されているかを調べるために、まずこのシナプス出力強度の脳内依存的な変化を調べた。僧帽細胞軸索刺激によって嗅球内に発生する電場電位の記録によってこのシナプス強度の変化を調べたところ、脳波が速波状態の時に顆粒細胞-僧帽細胞間抑制性シナプスの伝達効率が増強することが明らかになった(2006年度日本神経科学学会で発表予定)。現在、この脳内状態依存的な顆粒細胞-僧帽細胞間シナプスの伝達効率の変化が実際にアセチルコリン性入力によって制御されているかどうかを検証している。
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)