Budget Amount *help |
¥2,900,000 (Direct Cost: ¥2,900,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2004: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Research Abstract |
本研究は,リハビリテーションに重要な運動学習を客観的方法で捉え,かつ動物モデルでの脳の神経基盤を明らかにすることを第一の狙いとする.また,得られた成果に基づき,障害者の治療・訓練技術の確立のための基礎研究とする.特に近年の運動学習の研究ではドーパミン,セロトニン,アセチルコリン系などの神経伝達や,小脳,基底核,視床,前頭前野等の局在部位との関連が報告されており,我々の開発した動物モデルに抗精神病薬の投与により神経伝達を操作することで,それら脳機能の関連を比較検討する. 本年度は,加速度波形で捉えた運動学習の過程をより客観的に定量評価するために相互相関係数の概念を用いて分析した.さらに,ドーパミン系のアンタゴニスト(ハロペリドール),セロトニン系のアンタゴニスト(クロザピン),また近年運動学習や記憶等と関連が注目されているノルエピネフリンのアンタゴニストを投与することで運動学習の過程を調べた. 週齢9週のウイスター系雄ラットに3つのレバーを順番にかつ設定時間内に押すオペラント課題を行わせ,その際のラットの身体の動きを加速度計で計測した。1実験は1日60分,週5回の頻度で,計80回行った。課題の成功(強化)数,強化数に対する効率,所用時間,波形の類似性について検討した結果から,(1)強化数は実験5回目以降に150回以上を維持した.(2)効率は実験15回目以降に50%以上を維持した.所要時間は実験の繰り返しにより短縮し,実験10回目以降におおよそ一定となった.加速度波形は1実験ごとに50個の波形を重ね合わせたところ,視覚的に重なり波形の類似性が確認された.さらに加速度波形を標準化しその波形の類似性を相関係数で検討したところ,実験の繰り返しで相関係数は高くなり,30回目以降に0.5以上の値で収束した.薬物投与の結果については解析結果を投稿予定である.
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