Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Research Abstract |
本研究の目的は,手指感覚識別時にみられる手指循環動態変調機構とその役割について解明することである.平成16年度の研究成績により,点字解読時に手指血流量が減少することが明らかとなった.この手指感覚識別時に起こる手指血流量の変化は手指体積変動に反映し,皮膚物性値に影響を与えることで体性感覚感度を変調させるのかもしれない.そこで本研究では,点字解読時の手指皮膚血流量と同時に手指体積を測定し,手指血流量調節機構と手指体積変動の関係についての解明を試みた。 方法:実験は2つのプロトコールから構成されている.(1)被験者は机座姿勢をとり,10分の安静の後,右手第2指を使用して1つの点字プレート(幅3mm,高さ1mmの凸を点字模様に従って配列)の解読作業を15秒間行った.もう一つは対照実験として,(2)点字模様のない平らなプレートを(1)の場合と同じ動作で触れさせた.この2つの課題施行時にみられる第3指体積および掌側第4指皮膚血流量,心拍数,血圧の変動を測定した. 結果:点字解読中の心拍数の変動はなかった.また平均血圧の変動は点字解読中に8mmHgと少なかった.さらに点字模様のない平らなプレートに触れたときにはどの測定項目にも変化は認められなかったことから,点字解読にともなう運動および心理的ストレスの影響は少ないと考えられた.一方で,皮膚血流量は点字解読時に-34±9%まで減少した.同様に,手指体積も点字解読中に-11±2%まで減少した.これら点字解読時の手指皮膚血流量および手指体積変動は有意な相関関係(r=0.7,P<0.01)を示した. 本研究は,点字解読時に手指皮膚血流量が減少するとともに,この血流量変動が手指体積の変化に反映されることを明らかにした.この研究成績は,手指感覚識別時に手指血流量を介して皮膚物性値を変調させ,手指感覚感度を制御する可能性を示唆する.
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