Budget Amount *help |
¥3,700,000 (Direct Cost: ¥3,700,000)
Fiscal Year 2005: ¥200,000 (Direct Cost: ¥200,000)
Fiscal Year 2004: ¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
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Research Abstract |
昨年度までの脳血管障害片麻痺患者を対象とした検討では,要求値(周波数0.2Hz・調整範囲5-25%,周波数0.3Hz・調整範囲0-20%の正弦波)を用いて麻痺側膝関節伸展の筋力発揮調整能を測定した。その結果,麻痺側の筋力発揮調整能は12段階片麻痺回復グレード,歩行自立度(FIM),麻痺側下肢筋力と有意な正の相関関係があることが分かった。しかしその一方で歩行速度とは有意な相関は認められなかった。これは片麻痺者全員を検査できるように要求値の難易度をやや低いものに設定したため,麻痺の程度が比較的軽い症例を適切に評価できていないためと考えられた。そこで今年度は測定に用いる要求値の難易度を高くし,比較的麻痺の軽い症例も適切に評価できることを目的に研究を進めた。 対象は発症から6ヶ月以上経過し,歩行が自立している脳血管障害片麻痺患者を対象に,麻痺側膝関節伸展の等尺性筋力における筋力発揮調整能を測定した。筋力発揮調整能の測定には難易度の異なる2種類の要求値(要求値1:周波数0.3Hz・調整範囲0-20%,要求値2:周波数0.5Hz・調整範囲0-20%の正弦波)を用いた。得られた筋力発揮調整能と歩行速度との関連性を検討した。その結果,0.3Hzの要求値1を用いた筋力発揮調整能と歩行速度には有意な相関関係は認められなかった(r=-0.41,n.s.)。一方,0.5Hzの要求値2を用いた筋力発揮調整能は歩行速度と有意な相関関係が認められた(r=-0.60,p<0.05)。昨年度と同じ設定である0.3Hzの要求値1では歩行速度の相関が見られなかったのに対し,難易度を高くした0.5Hzの要求値2では歩行速度と有意な相関を認めた。このことから歩行が自立している症例の麻痺肢の機能評価としては0.5Hzの要求値2を用いて評価する必要があると考えられた。 しかし0.5Hzの要求値2を用いて麻痺が重度な症例を対象に測定を実施したが,課題を遂行することが困難な症例が存在した。これらのことから麻痺側の筋力発揮調整能の測定にはこれらの難易度の異なる2つの要求値を併用することが必要と考えられた。
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