Budget Amount *help |
¥3,700,000 (Direct Cost: ¥3,700,000)
Fiscal Year 2005: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2004: ¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
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Research Abstract |
本研究では,これまでに科学的な解明が進んでいないサッカーのインサイドキックを対象として,正確に蹴ることとそれに付随するメカニズムを明らかにすることを目的とした. 平成17年度は,前年度に実施した実験(被験者30名)で獲得したデータの分析と研究成果の報告に主眼をおいて研究を進めた.本研究はこれまでに,インサイドキックの精度を高めるためには,インパクト角度の再現性を高める必要があり,そのためには骨盤と軸足方向の安定化を図るのが有効であることを明らかにした.しかしながら,近代サッカーではパススピードに対する要求が高まっており,インサイドで強く蹴るためのメカニズムを解明することも重要な課題と考えられた.そこで次に,経験者7名と非経験者8名のインサイドキック動作をバイオメカニクス的に比較した.この結果,インサイドで強く蹴るためには,キック動作局面の前半に大きな股関節屈曲力を発揮することが最重要であることが分かった.本研究成果は,海外関連雑誌に原著論文として投稿し,現在審査中である. 上記の研究によって,インサイドで「正確に」蹴るためと「強く」蹴るためのメカニズムを明らかにしたが,一般に動作のスピードと正確性は相反的関係にある(speed-accuracy trade-off).そこで,これまでの統合研究として,インサイドキックにおけるspeed-accuracy trade-offの影響をバイオメカニクス的に検討した.本研究の結果,インサイドキックは一般にはspeed-accuracy trade-offの原理に従うものの,その影響度の大きさにはスキルレベルによる相違があり,サッカー経験者は,インパクトスキルが巧みであるため,スピードを重視する状況でもより高い水準で正確性を維持できることが分かった.本研究成果は国内関連学会で公表を終え,現在,国内論文誌による条件付き受理の状況である.
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