多環芳香族炭化水素とその誘導体の環境汚染実態および毒性影響評価
Project/Area Number |
16710027
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Environmental impact assessment/Environmental policy
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Research Institution | Setsunan University |
Principal Investigator |
中尾 晃幸 摂南大学, 薬学部, 助手 (20288971)
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Project Period (FY) |
2004 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,600,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | 多環芳香族炭化水素 / ニトロ化多環芳香族炭化水素 / ハロゲン化多環芳香族炭化水素 / 高毒性 / 廃棄物焼却 / 燃焼 / 環境大気 / ディーゼル排出粒子 / 廃棄物 |
Research Abstract |
廃棄物焼却施設から採取した排ガスおよびディーゼル自動車の排ガス中に含まれるニトロ多環芳香族炭化水素類(ニトロPAHs)の実態調査を行った。廃棄物焼却施設からのニトロPAHsは燃焼物の組成により大きく相違し、特に産業廃棄物および下水汚泥焼却施設からの発生量が高くなる傾向にあった。一方、移動発生源として知られるディーゼル自動車の排ガス粒子(DEP)には極めて強力な変異原性を持つジニトロピレンが検出された。その濃度は廃棄物焼却施設と比較し、高濃度であり、1,3-,1,6-および1,8-ジニトロピレンでそれぞれDEP 1グラムあたり48,000、78,000および60,000ピコグラムであった。さらに、廃棄物焼却施設や自動車排ガスの影響を調査するため、環境大気の捕集を行いニトロPAHsの環境動態について検討した。その結果、環境大気からも上記ジニトロピレン異性体が高濃度で検出されたこと、さらに異性体の組成がディーゼル自動車排ガスのパターンと一致することから、環境大気の汚染は主に移動発生源であるディーゼル自動車からの寄与が大きいことが示唆される結果となった。 一方、廃棄物焼却施設やディーゼル自動車から採取された排ガスおよび環境大気中に含まれる新規高毒性環境汚染物質の検索を行った。抽出液の一部を変異原性試験でスクリーニングを行い、活性のある試料を選出し、さらに精製を行い、質量分析装置で質量の検索を行った。その結果、これまで測定対象としていなかったニトロPAHsおよびPAHsにアルキル基が置換した化合物が同定され興味ある結果となった。いずれの化合物も強い変異原性を示すことから、詳細なマススペクトルを解析し、構造解析、あるいは毒性評価を行う必要が急務であると考えられた。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)