Research Project
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
(1)UVB抵抗性の異なるイネ品種のCPD光回復酵素の構造・機能の解析CPD光回復酵素タンパク質を、日本型イネ品種ササニシキの可溶性タンパク質から、硫酸アンモニウム沈殿、陰イオン交換カラム、ヘパリンカラム、CPD誘導DNA結合磁気ビーズを用いて精製した。CPD光回復酵素は、青色光を受容してCPDを修復した後、DNAから遊離することが知られている。そのため、CPD誘導DNA結合磁気ビーズに結合したタンパク質に、青色光を照射することで、修復活性をもつCPD光回復酵素をDNAから遊離させ、磁石を使用して磁気ビーズを沈殿させることで、上清画分にCPD光回復酵素を特異的に得ることができた。この精製タンパク質は、タンパク質量あたりの酵素活性が、可溶性タンパク質画分と比較して約8100倍に上昇しており、また、ササニシキCPD光回復酵素遺伝子を大腸菌にて発現・精製したタンパク質と比較して、高い活性を有していた。また、精製タンパク質の吸収スペクトルと蛍光スペクトルを測定したところ、FADを含むと考えられた。(2)CPD光回復酵素の違いがUVB抵抗性を左右する主要因であることの検証ササニシキのCPD光回復酵素遺伝子を、センス、またはアンチセンス方向に導入したバイナリーベクターを用い、アグロバクテリウム法にてササニシキ、農林1号、Surjamkhiの種子胚から誘導したカルスに遺伝子導入を行い、形質転換体を作成した。ササニシキに対しセンス方向に導入した系統(過剰発現体)においては、酵素活性は約5〜45倍に上昇しており、アンチセンス方向に導入した系統(発現抑制体)においては、酵素活性はほとんど検出されなかった。これらの系統のUVB付加条件下での生育検走を行ったところ、野生型と比較して、過剰発現体は高いUVB抵抗性を示し、発現抑制体はUVB感受性を示すことを見出した。
All 2007 2005 2004
All Journal Article (4 results)
The Plant Journal 50
Pages: 70-79
Plant Journal 43
Pages: 57-67
Recent Research Developments in Photochemistry and Photobiology 8(In press)
Plant Cell Physiology 45
Pages: 1848-1856
10014214720