Project/Area Number |
16710064
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Nanostructural science
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
柴 史之 千葉大学, 大学院・自然科学研究科, 助手 (10312969)
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Project Period (FY) |
2004 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
Fiscal Year 2005: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2004: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,600,000)
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Keywords | 単分散粒子 / ナノ粒子 / エレクトロクロミック材料 / 酸化タングステン / ゲルゾル法 / 酸化タングステン一水和物 / タングステン酸 / プルシアンブルー / エレクトロクロミズム / 電気化学測定 |
Research Abstract |
本年は、主として酸化タングステン一水和物粒子の単分散性の向上を中心課題として研究を行った。具体的には、前年度のゲルゾル法による調製条件に対し、(a)濃厚系とすることで、よりリジッドな前駆体ゲルネットワークを形成することの効果、(b)酸濃度や温度による生成過程の制御、(c)出発タングステン酸塩および酸の対イオンの影響を検討した。(a)では、タングステン酸ナトリウム溶液濃度を、前年度の0.1mol/Lから1mol/Lまで変化させた。0.1〜0.2mol/Lでは、強酸との混合により、ゲル状の沈殿が生成するものの、溶液全体は流動性を有した状態であったが、0.5mol/Lでは、酸混合から30秒程度でゲルが生成し始め、1〜2分で溶液全体がゲル化した。一方、1mol/Lでは、酸との混合時、直ちにゲルが生成し、ゲル化してしまった。組成分布が均一なゲルネットワークの形成という観点から、0.5mol/Lを採用した。(b)では40℃において1.50mol/LのHClを用いることにより、平均サイズ0.72μm、変動係数9%の、高い単分散性を有するWO_3・H_2O平板粒子が得られることが明らかとなった。しかし、この時の収率は約25%と低く、大部分のタングステンが、ゲル状物質として残存していることが示唆された。これに対しては、(c)において、タングステン酸リチウムを用いることで、収率は約80%にまで上昇するが、単分散性は悪化すること、カリウム塩や硫酸では、ゲル状物質からWO_3・H_2O粒子への変換が全く進行しないことが明らかになり、共存イオン種が、本系における粒子形成機構に大きな影響を与えていることが示唆された。これらの知見は、今後、高い単分散性を維持しつつ収率を上げるための重要な手がかりである。
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