界面・錯体化学の融合技術による複合金属ナノ材料の創生
Project/Area Number |
16710069
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Nanostructural science
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Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
山田 真実 北陸先端科学技術大学院大学, 材料科学研究科, 助手 (60362026)
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Project Period (FY) |
2004 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2005: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2004: ¥2,900,000 (Direct Cost: ¥2,900,000)
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Keywords | ナノ微粒子 / プルシアンブルー / 自己集積型錯体 / 合金 / 逆ミセル / 磁性 / 金属組成制御 / 触媒 / 電子移動反応 |
Research Abstract |
金属錯体結晶は、異種金属元素が有機架橋配位により結合され、配位子を通じて特異な電子授受を行うことで多彩な物性が発現される。それらを微小化した金属錯体ナノ微粒子は、バルク錯体結晶には見られない特異的なナノ物性が期待され、さらに、種々の複合金属ナノ材料へ展開する有用な前駆体となる。昨年度、逆ミセル法を用い、プルシアンブルー型(Fe/Cr-CN-Co)錯体ナノ微粒子の合成とアルキル配位子による単離を報告した。今年度は、PtとCoをシアノ基により架橋した3次元錯体のナノ微粒子化をターゲットとし、得られた錯体ナノ微粒子(Pt-CN-Co)を水素雰囲気下による加熱気相還元によりPtCo型合金微粒子へ変換反応を行った。 合成は、0.4M polyethylene glycol mono 4-nonylphenyl ether(NP-5 : HO(CH_2CH_2O)_nC_6H_4C_9H_<19>,n≒5)/cyclohexane溶液2mLに対し0.1MK_2[Pt(CN)_4]・H_2O水溶液70μL、0.1M CoCl_2・4H_2OおよびK_2PtCl_6混合水溶液70μLを加え、逆ミセル溶液を精製した。作製した2種の逆ミセル溶液を混合、反応させ、アルキル配位子(ステアリルアミン:SA)により安定化し、Pt-CN-Coを単離した。また、Pt-CN-CoをSiO_2へ担持したサンプル(PtとCoの合計量が5wt.%)を、管状還元炉(H_2 : N_2-1:10,330mL/min)により種々の還元温度、還元時間および金属組成で、PtCo型合金微粒子への変換反応を行った。 Pt-CN-Coは、TEM像から平均粒子径15nmを有することがわかった。Pt-CN-CoのTGA測定から、CN基は350℃から400℃の間で分解することがわかった。そこで、SiO_2担持Pt-CN-Coを水素雰囲気下、350度以上の所定温度にて保持した際の、金属イオンの還元状態をXPSにより検討したところ、PtCoのPt4fに由来するピークは、還元温度が上昇するにつれて、低エネルギー側にシフトし、メタリックPtへと変換されることがわかった。種々の条件検討により、Pt-CN-Coは、400℃3hで完全にPtCo合金微粒子へ変換されることがわかった。また、変換後のPtCo合金の金属組成は、Pt-CN-Coのそれにほぼ一致した。一部、加熱による微粒子間凝集も観察されたが、加熱によりCN基が除去されるため、もとのPt-CN-Coよりも粒子径が減少した粒子(粒子径7-10nm)が数多く確認された。以上より、錯体ナノ微粒子が、合金微粒子の有用な前駆体になることが明らかとなった。本成果は、Chem.Commun.に発表した。
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Report
(2 results)
Research Products
(5 results)