Project/Area Number |
16710135
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Natural disaster science
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Research Institution | Electronic Navigation Research Institute |
Principal Investigator |
吉原 貴之 独立行政法人電子航法研究所, 航空システム部, 任期付研究員 (50373436)
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Project Period (FY) |
2004 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥3,700,000 (Direct Cost: ¥3,700,000)
Fiscal Year 2005: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2004: ¥2,900,000 (Direct Cost: ¥2,900,000)
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Keywords | GNSS / GPS / 海面高度 / リモートセンシング / マルチパス / 海面反射波 / 大気伝搬遅延 / 津波 / 海面高度測定 / 海面反射 / 電波伝搬 / 大気遅延効果 |
Research Abstract |
昨年度実施した兵庫県六甲山の標高約800m地点での実験データの解析を進め、モデル化された干渉パターンの妥当性に関する検証を行った。GPS衛星の移動に伴う光路差変化により生じる搬送波フェージングに対応した受信強度変動(および位相変調)が観測されたが、定性的にはほぼモデルと一致した。しかし、このビート信号(0.8Hz程度)の波数を積算して光路差の相対変化を検証したところ、光路差変化とは別の機構による効果が含まれていることが示唆された。そこで、C/Aコードの追尾ポイントから±1.6チップ内のコード相関値を127点(0.025575チップ間隔、距離にして約7.5m)で観測可能な信号品質監視装置(SQM受信機)から同時測定されたコード相関カーブによる光路差の決定を試みた。その結果、直達波のコード相関カーブに海面反射波信号が同相または逆相で重畳していることが確認されると共に、仰角2〜3度程度のGPS衛星について光路差をRMSで5m程度内で推定することに成功した。 光路差には直達波と海面反射波の幾何学的な伝搬経路差の他に大気伝搬遅延効果の差(電離層・対流圏)が含まれるが、実験期間中は電離層は比較的穏やかであった。対流圏遅延差については、その初期値が光路差から海面高度を決定する際に予想以上に大きな影響を与えることが明らかとなったため、水平一様の大気を仮定(または影響を無視)して最終的に海面の相対高度をRMSで数m程度で決定した。なお、この結果を2006年1月に米国航法学会 国内技術会議(ION National Technical Meeting)で発表した。さらに、六甲山実験では得られなかった海面が粗い状態での冬季実験データを新たに室戸岬測候所測風塔において取得した。粗い海面では、コード相関カーブに含まれる反射波の雑音成分が増加していることが確認されたが、反射波の同相,逆相での入射時にそれぞれ分離した後、平均化処理などにより雑音の低減を行うことが可能である。 今後の展望として、コード相関カーブの分解能を向上し、または前述の搬送波フェージングに含まれる光路差の相対変化以外の誤差を除去してこれを組み合わせ、光路差変化を数cmオーダーで検出できれば、津波などの数10cm程度の海面高度異常をリアルタイム検出できる可能性のあることが示唆された。
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