水田生態系の生物多様性維持機構からみた生態系配慮型圃場整備の効果と限界
Project/Area Number |
16710167
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Resource conservation science
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
東 淳樹 岩手大学, 農学部, 講師 (10322968)
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Project Period (FY) |
2004 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,900,000)
Fiscal Year 2006: ¥300,000 (Direct Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2005: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2004: ¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
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Keywords | トウキョウダルマガエル / メダカ / 圃場整備 / 生態的ネットワーク / 個体識別 / 成長量 / 生息密度 / 岩手県 / 溜池 / CPUE / 標識再捕 / 移動分散 / 成長 / ドブガイ / ヨコハマシジラガイ / オオクチバス / 灌漑期 / 非灌漑期 |
Research Abstract |
岩手県奥州市胆沢区において水田の圃場整備後の経過年数の違いにおけるカエル類、特に本地区水田地帯を代表するトウキョウダルマガエルの生息回復の程度を確認するため、施工平成12年度(施工後5年目)〜16年度(施工後1年目)に施工されたそれぞれの地区から年度ごとに4〜5枚の水田を抽出し、本種の圃場整備後の生息密度を把握するとともに、施工後の経過年数がもたらす生息環境の違いが生息密度にもたらす影響について調査した。その結果、本種成体の生息密度は畦畔植被率に影響されており、畦畔植被率の回復に伴い、畦あたりの生息密度は回復傾向が認められたが、圃場整備前と同じ水準まで回復しなかった。また、生態的ネットワークが分断され、水路において多くの死亡個体が目撃された。また、土水路が消失してしまった現在の水田では、落水後の本種の生息場所を明らかにすることはできなかった。 岩手県一関市川崎町門崎地区の水田および幹線排水路において、水田地帯に生息するメダカが水田に湖上する意義を明らかにするために、水田と水路それぞれで生息する本種の成長量を把握するため、個体識別した標識個体の追跡調査を行なった。その結果、水田で生息した本種において体長が約2〜4mm増大した。主要な食物と考えられるミジンコ科種群の生息密度が水田において高いことがその要因であると考えられた。体長の増加は産卵数の増加と関連性が高いため、本種が水田で成長することはその個体数維持に大きく貢献することが示唆された。 以上のことから、水田の圃場整備において、整備後4年以上経過すると、畦あたりのトウキョウダルマガエルの生息密度はほぼ回復するものの、畦の総延長が整備前の2/3程度に減少すること、水田-水路の生態的ネットワークが分断されることで、生息環境としては貧弱であること、メダカが水田に遡上することは本種の保全上有効であることが明らかとなった。
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Report
(3 results)
Research Products
(6 results)