カザフスタン共和国セミパラチンスクの被曝実相解明研究:被曝証言調査を通して
Project/Area Number |
16710175
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Area studies
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
川野 徳幸 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 助手 (30304463)
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Project Period (FY) |
2004 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥3,100,000 (Direct Cost: ¥3,100,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | セミパラチンスク / 被曝 / 被曝証言 / 核被害 / 被爆者 / 被爆証言 |
Research Abstract |
平成16年度に収集した237件の被曝証言の内容分析を前年度に引き続き行った。主に次の3つの視点<(1)被曝体験の態様、(2)被曝体験当時と現在の気持ち、心的影響を含む健康状況>からセミパラチンスクの被曝実態解明を行った。2002年、2003年収集の証言とあわせ、次の点を明らかにした。1)閃光、爆風などの具体的な被曝体験。2)核実験時の避難体験などのセミパラチンスク特有の被曝体験。3)広島・長崎との比較検討により、セミパラチンスク被曝者が広島・長崎と共通する多くの被曝体験を有すこと。4)核実験体験による心的外傷を受けた被曝者が少なからずいる。5)セミパラチンスク被曝者の関心の中核をなすものは、実験後の健康被害である。6)被曝者の思いと要求を考察した結果、多くの被曝者に次の点が共通であることを明らかにした:(1)核実験に対する強い憤りの思いがある。(2)核兵器廃絶への切実な願い、そして核実験の即時中止を求める思いがある。(3)現在置かれた状況に対する(経済)援助、現在の健康不良に対する医療支援、そして被曝という現実に対する国家補償を求めている。 以上の研究成果は、次頁掲載の論文等にまとめたほか、学会等で報告した。 平成17年度(8月24日-27日)も前年度同様、カザフスタン共和国セミパラチンスク地区で被曝証言調査を実施した。調査地は、核実験場近郊のバラドリハ地区の6村で実施した。その結果、140名から被曝証言を収集した。また、11名の被曝者へのインタビューも実施し、貴重な体験を聞くことが出来た。被曝証言調査と同時にアンケートによる健康調査も実施した。そこでは281件の回答を得た。これは、被曝証言の分析・考察の際の重要な資料となると考えられる。平成17年度収集の被曝証言の日本語の翻訳、アンケートの集計は既に完了した。現在、これまでの調査結果とあわせ、検討・考察作業を行っている。
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Report
(2 results)
Research Products
(7 results)